2023年11月28日(火)公開
『過大に支給した65万円を返還してください』大阪市から突然届いた文書に市民困惑...そこで市長は「市民に寄り添った判断したい」あれから3か月経って出した結論は
特盛!憤マン
「過大に支給していた65万円の返還をお願いします」。3人の子どもがいる家庭に大阪市から突然届いた文書。この65万円は市の計算ミスによるものだということですが、支払い期限は納入書が届いた約1か月後。このトラブルについて今年8月にMBSの番組で取り上げましたが、11月に進展がありました。大阪市はどのような判断をしたのでしょうか。
今年8月 市のミスで突然『65万円の一括支払い』求められ…
大阪市に住む湯川さん。夫と3人の子どもの5人家族です。高校生の娘は自閉症で、学校が終わるとほぼ毎日、放課後等デイサービスに通っています。放課後デイは、障がいのある子どもなどが放課後や長期休暇に利用できる福祉サービスで、同年代の友達もできて、娘の“居場所”になっているといいます。
(湯川さんの娘)「(Q放課後デイはどんなところ?)楽しいところ。みんなが友だちになってくれるところ」
しかし今年8月。放課後デイの利用を巡って、湯川さんは大阪市とトラブルになります。
(湯川さん 今年8月)「これが大阪市から届いたんですけど、66万円支払ってくれというのがきたんです。納得がいかなかったのと怒りでうわっとなってしまいました」
文書には次のような内容が書かれていました。
【大阪市から届いた文書】『過大に支給していた給付額についてご返還いただくことをお願いする』
3年前に役所に何度も「間違いではないか」と確認していた
放課後等デイサービスでは、利用者が1か月で負担する上限額には3つのパターンがあります。それは所得によってかかる税額に応じて、0円(生活保護・低所得)・4600円(一般1:所得割28万円未満)・3万7200円(一般2)に分けられています。
湯川さんの場合、上限額は4600円と通知されていましたが、それは誤りで、実際は3万7200円だったというのです。大阪市からの文書は、誤っていたことによる2年間の利用額の差額分の約65万円について、追加の支払いを求める通知でした。
実は湯川さんの上限額は元々3万7200円でしたが、3年前に大阪市から突然『4600円に変更になった』と連絡があり、当時何度も「間違いではないか」と役所に確認したといいます。
(湯川さん)「『4600円ですけどあってますか?』と確認して、(役所の人に)『あってますよ』って言われたので、そこで安心してしまったんです。信じられなくなりました、大阪市が」
大阪市によりますと、今回の追加の支払いは所得区分の計算に誤りがあったことが原因。その上、大阪市のミスであるにもかかわらず、65万円一括での支払い期限は納入書が届いてから約1か月あまり。最初から支払い上限額が3万7200円だと正しく通知されていれば、通う回数を減らすなどして出費を抑えていたと湯川さんは訴えます。
(湯川さん)「初めからわかっていたらセーブできるけれども、あとから言われたらできないので、怒りしかないです」
横山市長「市民に寄り添った判断をしたい」
今回、湯川さんと同じように追加で支払いを求められた人は77人。この件を知った大阪市の横山英幸市長は今年8月、請求について検討しなおすことを表明しました。
(大阪市 横山英幸市長)「市民に寄り添った判断をできるだけ早くしたいと思います」
同様のミスはほかの自治体でも起きています。千葉県市川市では、市側のミスであることを理由に利用者側に追加の支払いは求めないなど、自治体によって対応は分かれています。
(湯川さん)「私的には納得はいってないけれども、利用した側なので支払わないといけないんだけれども、すごい高額なので戸惑いもあるし、もうどうしたらいいのかわからない状態です」
大阪市の対応はどうなった?11月下旬に再び市から封書が届く
そして11月22日、湯川さんのもとに再び、大阪市から封書が届きました。大阪市の見解は、誤請求があった年度とそれより前の年度の利用回数を比較して、ミスがなければ利用していなかったであろう回数分を減額するというもの。湯川さんの場合は約10万円の減額で、結果的には55万7517円となりました。それでも湯川さんの表情は険しいままです。
(湯川さん)「ちょっと遅いなとずっと思っていたので、そわそわしていました。思ったより減額されてないなと思いました」
今回、分割払いも認められました。月々の支払い金額はこれから大阪市と決めていくことになります。ただ、成長していく子ども3人にかかる費用を考えると、そう多くは払えないといいます。
(湯川さん)「月5000円くらいじゃないと生活水準が変わってしまうので。もうちょっと丁寧な対応をしてもらいたかったなと思います。どこが寄り添っているんだとずっと思っています」
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