2022年11月22日(火)公開
サポーター歴10年「以前はユニフォーム着ている人なんて僕らしかいなくて...」最終戦1万人超が集まりFC大阪がJリーグ昇格!「10年応援してきて信じられない」
編集部セレクト
来年のJリーグ(J1・J2・J3)の都道府県別チーム数は、1位が神奈川県で6チーム、2位が静岡県で4チーム、3位が東京都・大阪府で3チームです。これまで大阪府は2チームでしたが「FC大阪」が新たにJ3に加入したのです。Jリーグ入りには戦績以外に観客動員数を達成する必要があり、FC大阪の昇格はシーズン最終戦の観客動員数にかかっていました。
シーズン最終戦で観客動員数を達成できればJリーグ昇格!
東大阪市をホームタウンに活動するサッカーチーム「FC大阪」。アマチュアのトップリーグJFLに所属していますが、11月20日のシーズン最終戦はまさに重大局面でした。
(FC大阪 塚原真也監督)
「3732人の方が花園ラグビー場に集まればJ3に行けるという条件を達成しますので、ぜひその歴史的瞬間に一緒に立ち会って見に来てほしいと思っています」
11月20日時点でFC大阪はリーグ2位で、順位ではリーグ4位以上というJリーグ昇格条件を達成していたのですが、もう1つ満たさなければならないのが観客動員数でした。昇格にはシーズン平均で1試合2000人以上の動員が必要とされますが、ここまで平均1876人と、2000人を上回っておらず、最終戦で3732人以上の動員を集めなければならないのです。
3732人達成のため、練習の合間を縫って選手自ら街頭でチラシ配りに励みます。
【チラシ配りでのやり取り】
(選手)「お父さんのお仲間や皆さんと一緒に来ていただけたら」
(街の人)「いいね、イケメンで」
(選手)「イケメンのお父さんも来ていただけたら助かる」
(街の人)「ほなら行くわ」
(選手)「お願いします。ありがとうございます。よろしくお願いします!」
試合前に記念グラスを準備する“気の早い飲食店”も
選手もよく訪れるという東大阪市の飲食店「BESTEN DANK IMBISS」では、チームを後押ししようとFC大阪とコラボし、今シーズンのスローガン「歓喜雀躍」をラベルにあしらったオリジナルビールを販売しています。
(BESTEN DANK IMBISS 山口明紀オーナー)
「FC大阪さんが順位を上げていくごとにサポーターさんの数が増えていって、実は10月に売り切れてしまって今は廃番となっています」
気が早い店のオーナー。記念グラスまで作っていました。
(BESTEN DANK IMBISS 山口明紀オーナー)
「チームのエンブレムと明日の日付の11月20日を刻印した記念グラスを販売させていただいております。(Q『Jリーグ参入記念』と書かれていますが?)3700人は必ず入ると聞いていますので、Jリーグに上がりますので」
いよいよ迎えた最終戦当日
そして迎えた運命の日。11月20日は最終戦を見届けるだけでなく、観客として昇格の力になろうとスタジアム周辺には子どもから大人まで多くの人の姿がありました。
(記者リポート)
「試合開始までまだ2時間半以上ありますが、会場周辺はすでに多くの人で賑わっています」
(サポーター歴10年の人)
「(以前は)こんなにお客さんがいなかったので、ユニフォームを着ている人なんて僕らしかいなくて、本当に。皆が集まってFC大阪を応援してくれるのは本当にうれしい」
試合会場となった東大阪市の花園ラグビー場には、東大阪市にゆかりがある元プロ野球選手の糸井嘉男さんに…。
元ラグビー日本代表の大畑大介さん。
さらに大阪府の吉村洋文知事も応援に駆け付けました。多くのサポーターがスタンドを埋めていますが果たして3732人に届いているのか。
観客動員数はなんと『1万2183人』
緊張の中、キックオフ。試合は前半、相手チーム「MIOびわこ滋賀」のフリーキックで先制点を許します。しかし迎えた後半36分、同点ゴールが決まりました。会場は湧くものの気になるのは別のゴールです。
そんな中で“天の声”がスタジアムに響きました。
【会場アナウンス】
「本日の来場者は1万2183人でした。ご来場ありがとうございました」
なんと目標の3732人を大きく上回る1万2183人が駆けつけていました。見事、昇格条件である観客動員数をクリアして、J3参入決定です。試合は1-1の引き分けで最終戦を勝利で飾ることはできませんでしたが、スタンドは歓喜に沸いていました。
(観客)
「(Jリーグに)本当に行くんですね!僕は10年応援してきて、信じられない気持ちでいっぱいです」
「めっちゃうれしい!Jリーグ頑張ってほしい」
“12番目の選手”が引き寄せた新たなステージ。27年ぶりに大阪で3つ目となるJリーグチームが誕生しました。
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