2021年12月24日(金)公開
夢は様々「モナコに別荘」「レーシック手術の費用」...1000万円当選経験者は『子に車や現金100万円』10億円が出た宝くじ売り場に来た人々
コダワリ
2021年も残すところあと1週間となりました。混沌とした年の最後に“大きな夢”を買い求める人たちがいます。「年末ジャンボ宝くじ」です。1等・前後賞合わせて10億円。今回、取材班は、2020年と2019年に10億円が出た宝くじ売り場を取材。いろんな思いを抱えた人たちに出会うことができました。
2年連続で10億円が出た特設売り場 1000万円が当たった“幸運の女神”も購入に
12月10日、大安吉日。寒空の下、大阪市北区の一角に長蛇の列ができていました。年末ジャンボ宝くじの特設売り場です。この大阪駅前の特設売り場は2019年から2年連続で最高当選額10億円が出ている場所で、お札を握りしめたまま列に並ぶ人や手を合わせて祈るような気持ちで並ぶ人もいます。
(大阪府高槻市から買いにきた人)
「(Q手を合わせていましたよね?)わざわざここまでやって来たんで。30年近く買っているんですけれど全然。家を買ってゆっくり過ごしたいですね」
取材を続けているとこんな“幸運な女性”に出会いました。
(兵庫県神戸市から買いにきた女性)
「7年前は当たったんですよ。1000万円。でも1000万円なんてあっという間やけどね。息子に車を買ってあげて、あと娘に1人100万円ずつあげて」
7年前に1000万円が当たったというこの女性は“幸運の女神”として友人らから宝くじの購入を託されていました。
(兵庫県神戸市から買いにきた女性)
「結構私が買ってきたやつで桁はしれてるけど5万円とかはよく当たったみたい。それでもね、買ったお金が倍以上になるからね」
「モナコに別荘」「家を買って犬を幸せに」
宝くじ売り場の近くには「当選祈願のはんこ」が置かれています。
(はんこを押していた人)
「(Qいくら当てたい?)そりゃ10億円、夢やね。(Q10億円当たったら?)当たったら何しよ…コロナが収まったら別荘かな。モナコとかあのあたりに」
人によって夢の形は様々です…。
(宝くじを買った人)
「今からレーシックするんです。たまたま通りかかって宝くじでその分を取り返そうと思って。(Q手術費用は?)目が悪すぎて、50何万円くらい」
「コロナで旦那の仕事が減ってボーナスも出なくなったし、自分も2つバイトしているんですけれど、大きく当たりたいなと。おっきい家を一戸買って友人3人で住んで…。スイカとおたべという名前の犬を飼ってるんですけど、スイカとおたべを幸せにする」
年末ジャンボで大きな夢を抱きつつ、売り場の裏に移動すると「スクラッチ」の宝くじを削っている人がいました。
(スクラッチの宝くじも買った2人)
「だってまだ(年末ジャンボ宝くじは)結果が出ないじゃないですか」
「当選は200円でした」
「当たってるわ200円!やった」
「ヤケ酒行こう」
「夢を買ってる」新たなスタートを切るために購入した人も
今年はやはり新型コロナウイルスで影響を受けた生活を何とかしたいという思いで宝くじを買い求める人もいるようです。特設売り場前で出会った藤本貴史さん(53)は、3年間働いた印刷関係の会社を退職するといいます。
(藤本貴史さん)
「こんなんまず当たらない。夢を買ってるからね。ちょっといろいろ訳があって退職ですわ。だから今、求職活動もかねて買いに来たんです」
藤本さんの自宅を訪れると宝くじは仏壇の奥に置かれていました。
(藤本貴史さん)
「父親が生前(宝くじが)好きやったから仏壇に置いています。夢を追い求める部分でね、『当ててやろう』とかそういう感じじゃなくて。父親もよく言っていました」
藤本さんが宝くじを買った理由、それは新たなスタートを切るためでもありました。給与は手取り月18万円。社長には世話になったと思いながらも、将来のことを考えて退職を決意したといいます。
(藤本貴史さん)
「53歳で転職ってなると年齢的にも厳しい部分もあるかもしれませんけどね。妻子を養っていかなあかんし、挫折しないで頑張って(職を)探してみますわ」
コロナで影響受けた飲食店の店主「客と夢を語りながら仕事するのが一番幸せ」
一方、大阪駅前の特設売り場で宝くじを100枚購入していた男性に声をかけてみました。
(100枚購入した男性)
「自分のが半分と、私は商売していてお客さんの分を頼まれたので、買いに来ました」
この男性は大阪府豊中市で焼き鳥店「居酒屋酒蔵」を経営している中野新司さんで、この日、来店する客に宝くじを渡すということで店を訪ねました。
(居酒屋酒蔵 店長・中野新司さん)
「(宝くじは)えべっさんで買った黄色い袋に入れて秘密の金庫に入れます」
焼き鳥店を始めて19年。今年は新型コロナウイルスの影響で厳しい1年だったといいます。
(居酒屋酒蔵 店長・中野新司さん)
「お客さんの来店がほぼなくなって、来年20周年なのにここでこんな形で終わるんかなって。家に帰っても家族が起きてて電気がついている。子どもはやっぱり心配するんでね、お店の経営が大丈夫かというのを。1回だけウーバーイーツの配達を試みて、いろんなことに挑戦してみましたね」
開店と同時に常連客が息子2人を連れてやってきました。頼まれていた宝くじを渡します。
(中野さん)「どれか選んでください。これでいい?それでいいの?当たったらどうする?何がほしい?」
(常連客の息子)「自分専用のバッセン」
(中野さん)「専用のバッセン?バッティングセンター?」
(常連客)「俺はもっとええとこ飲みに行くかな。こんな店ばっかりじゃなくて」
(中野さん)「なめてんのそれ」
年末に明かりが灯った焼き鳥店は宝くじの話で盛り上がります。中野さんは別の常連客にも宝くじを渡します。
(中野さん)「約束通り、連番」
(常連客)「当たったらガツンといくで。無人島買いたいなと。これはほんまのこの宝くじの夢や」
(中野さん)「いくらで買えるんですか?」
(常連客)「1億なんぼいるって」
店は奥さんに手伝ってもらいながら切り盛りしています。
(中野さん)「とりあえず当たったら週休2日制にするから」
(奥さん)「週休2日制になるの?めっちゃいいやん。それはいくら当たったら週休2日になるの?いくらでもいいの?当たった喜びで2日休めるの?」
(中野さん)「ずっと一年中、一生やな」
中野さん、もし宝くじが当たったら?
(居酒屋酒蔵 店長・中野新司さん)
「ローン返して大盤振る舞いしたいですよね。そういう話ばっかりお客さんと当たるまでしてるんですよ。飲みながら『どうします?』とか言ったら『俺は車買って』とか。夢を語りながら仕事するのが一番幸せやなぁと思って」
宝くじは最高の“酒のあて”になっていました。コロナ禍で夢が膨らむ年末ジャンボ。抽選は大晦日に行われます。
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