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大久保嘉人プロサッカー選手Vol.1181
日本人最高のストライカーが貫いた挑戦
父として家族と歩む新たな一歩
日本サッカー史上最高のストライカーがピッチに別れを告げる。
2021年11月22日、J1リーグ最多191ゴール記録を持つ大久保嘉人が引退会見で涙を流した。
日本中が驚いた電撃発表。それは1年間、悩み抜いた末の決断だった。
4人の息子を持つ父親として家族のために走り続け、前人未到のJ1リーグ200ゴールを目指した日々を追いかけた。
現役20年目という勝負のシーズンに古巣・セレッソ大阪に復帰。
平均年齢25歳というJリーガーのなかで39歳の大久保は異色だった。周囲から一度は終わったと言われながら、開幕戦でゴールをあげ、5試合で5ゴールの活躍を見せてベテラン健在を証明。
家族と離れ暮らすことになったが小学4年生の三男は父とともに大阪へ。家事未経験だった男は息子のために朝食を作ってから練習場へ向かい、帰宅すると洗濯や夕食の準備。
プロサッカー選手だけでなく父親として奮闘する毎日に、私たちは驚かされた。
だが、大記録達成まで10ゴールに迫るなかで、大久保は左太ももに怪我を負ってしまう。
J1リーグ200ゴールが遠ざかり「何のためにサッカーをやっているのか分からなくなってしまう」と語るほど目標さえも見失った。そんな中で支えとなったのが家族。
カメラは、自分と同じようにプロサッカー選手を目指す息子たちや大阪へ旅立つ前に受け取った妻からの手紙を読み返し、新たな決意を固める大久保の姿を見た。
そして、これまでのサッカー人生に欠かすことができないのが父・克博さんの存在だ。
借金を抱えながら苦しい家計を工面してでもスパイクを買いサッカーを続けさせてくれた父の口癖は「一番になれ!」。
この言葉を胸に誰も到達していない200ゴールに再び挑む。
最後まで貫いた大久保嘉人という生き方と新たな一歩を踏み出す39歳。
「最高のサッカー人生だった」と語った男は、いま新たな挑戦に胸を膨らませている
PROFILE
1982年生まれ。A型。
2000年国見高校時代で高校三冠を達成し全国サッカー選手権大会で得点王に輝く。
2001年セレッソ大阪に加入すると1年目に初ゴールをあげ中心選手として活躍する。
2005年からはスペインリーグ1部のRCDマジョルカへ期限付き移籍。開幕戦で決勝ゴールをあげクラブの救世主として歴史に名を残す。
2010年日本代表としてワールドカップ南アフリカ大会に出場するとベスト16に貢献。
2013年に川崎フロンターレへ移籍するとJリーグ史上初の3年連続得点王を獲得しストライカーとしての才能が開花する。
2020年までにJ1リーグ通算185ゴールをあげ日本人最多記録を持つ。
2021年古巣のセレッソ大阪へ移籍。現在は4人の息子を持つ父親。
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:吉村順平
音効:井田栄司
編集:舛本賢治
制作協力:デラックスキッズ
プロデューサー:中村卓也・上野久・田中啓太郎
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