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山本直洋空撮写真家Vol.1273
モーターパラグライダーで空を駆ける
世界七大陸最高峰の空撮に挑む!
プロペラ付きのエンジンを背負い、風と動力で空を駆けるモーターパラグライダー。
揺れる機体を操りながら、時に4000メートルもの上空でシャッターを切る山本直洋は、"地球を感じる写真"を追い求め世界中の空を旅する空撮写真家だ。
山本の写真はナショナルジオグラフィック日本版を始め、アサヒカメラや日本カメラといった名だたる雑誌に取り上げられてきたが、40歳を目前に「自分はこのままでいいのか」と未だ見ぬ己の可能性に賭けてみたくなった。
そこで決断したのが「世界七大陸最高峰空撮(Above the Seven Summits Project)」。
ヒマラヤのエベレストやアラスカのデナリなど、各大陸の最高峰をモーターパラグライダーで空撮するというのだ。無論、過去にそれを成し遂げた者はいない。
そして2022年2月、山本はプロジェクトの第一弾としてアフリカ大陸最高峰キリマンジャロ(標高5895メートル)の空撮に挑んだ。だが、上空5000メートル付近でエンジントラブルが発生、目の前に迫ったキリマンジャロの頂を見つめ泣き叫ぶ山本...無念の撤退だった。
取材中、一番驚かされたのは、子煩悩な山本の姿。10歳の娘から抱っこをせがまれる場面を何度目撃したことか、娘と接するときの表情はいつも優しさに包まれている。一方で命懸けの挑戦に出かける山本と、「行ってほしくない」と本音をぶつける娘との間には、父と娘の愛おしい関係がにじんでいた。
この9月、山本はプロジェクトの第二弾としてオーストラリア大陸最高峰コジオスコの空撮に挑んだ。「必ず生きて帰る」...娘との約束を胸に、山本は天空でシャッターを切った。
PROFILE
1978年、東京生まれ。ニューヨークのフォトスタジオに勤務後、ファッションフォトグラファー、風景写真家に師事。2008年に独立し、フリーランスフォトグラファーとして活動する。モーターパラグライダーによる空撮を得意とし「Earthscape」と題して“地球を感じる写真”をテーマに作品制作を行う。
現在、世界七大陸最高峰を全てモーターパラグライダーで飛行しながら空撮するプロジェクト「Above the Seven Summits Project」に挑戦中
構成:田代裕・重乃康紀
ナレーター:窪田等
音効:早船麻季
制作協力:東北新社
プロデューサー:沖倫太朗
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