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2024年01月07日(日) 放送分

幸後綿衣鮨職人
Vol.1282

人生経験こそが「味」になる
新天地に立つ女性鮨職人の心意気

銀座の「鮨・あらい」は、多くの人が一度は訪れてみたい名店の一つ。「銀座・久兵衛」「すし匠」で経験を積み、独立した新井祐一が作り上げた。
激戦区の銀座で握りにこだわり、自らの鮨を追求する新井は、ひとりの女性職人を育てた。
幸後綿衣(こうご めい)、34歳。「鮨・あらい」の2番手として個室を任されてきた。
彼女が担当する個室は細部にわたる気遣いにあふれ、鮨も繊細で美しい。前菜には必ず旬の野菜を取り入れるなど、そのこだわりは多くのファンを獲得してきた。
握りの花形・マグロを卸す豊洲市場の「やま幸」代表・山口幸隆もファンの一人。
「時には師匠に習い、時には師匠とは全く違った握りを見せ、日本の鮨文化を変える逸材」と太鼓判を押す山口は、自分が選んだ最高のマグロは彼女のために卸すとまで言う。男の世界、といわれることも多い鮨職人。「手の温度が高い女性には向いていない」という根拠不明の風説すらあるが、「私はそもそも冷え性なので」と笑い飛ばす。
幸後は上智大学ドイツ文学科で学んだ。学生時代は、カフェの店員からクラブのDJまで幅広いバイト経験。卒業後に海外で働きたいと思案していた時、鮨職人になれば海を渡れるかもしれない...と考えたのがこの道に入った理由だという。
大学卒業後に「すし匠」と「西麻布拓」、「鮨あらい」で修業。2020年から「鮨あらい」で自らの部屋を担当してきた。
そんな幸後は2023年、「お客さんとの時間を最高の空間にしたい」と日々精進してきた10年を経て新しいフィールドに立とうと独立を決意する。番組では、自分の店「鮨・めい乃」を開店するまでの彼女を追いかける。
待っていたさらに厳しい世界。弟子から親方へ・・・新時代の鮨職人の奮闘に迫る。

PROFILE

1989年6月30日 徳島生まれ、福岡育ち。
高校進学と同時に上京。
上智大学卒業後、すし職人を目指し「すし匠」「西麻布拓」「鮨あらい」10年にわたり修行。
「すし匠」では挨拶、掃除の仕方、職人としての基礎を徹底的に学んだ。
「西麻布拓」では、和食のサポートや魚の下処理を任せられる。ワインに興味を持ち、ソムリエの勉強を開始。
新井が独立したのをきっかけに2015年「鮨あらい」へ。
2018年には1年間フランスに留学しソムリエ資格を取得。
2019年「鮨あらい」に復帰し、鮨を握ったり、煮物、汁物の味付け全般を任せられるように。2020年から2番手として腕を振るう。
2023年11月独立、麻生十番に「鮨めい乃」をオープン。

STAFF
演出:田中啓太郎
構成:田代裕・重乃康紀
ナレーター:窪田等
撮影:高橋秀典
音効:中村彰人
編集:金井隆輝
制作協力:オールドルーキー
プロデューサー:沖倫太朗

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