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鈴木保奈美俳優Vol.1309
「サラっと生きてはいないですよ」
舞台で見せた“本気“と語った”本音”
確固たる自分を持った"カッコいい女性"。多くの人はそういうイメージを持つだろうし、我々もそうだった。取材を始めるまではー
「本当にいつも自信がなくて、撮影の後も全然ダメだったなって落ち込みながら帰るんですよ。嫉妬もするし、ブレブレ(笑)」
最高視聴率32.9%。いまも語り継がれるドラマ「東京ラブストーリー」に出演したのが1991年。鈴木保奈美が演じた赤名リカは、その新しさや強さが鮮烈な印象を人々に焼き付けた。作品が放送された毎週月曜の夜は「街からOLが消える」といわれるなど社会現象となり、トレンディードラマブームの先駆けとなった。あれから30年以上の時を経て、鈴木はいまも確かな光を放つ。
三女の母。結婚・出産を機にいったん芸能活動を休止したものの、2011年の大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』で本格的に俳優活動を再開。その後も連続テレビ小説『ちむどんどん』やドラマ『SUITS/スーツ』など数々の話題作に出演するなど、その存在感は小さくない。さらに最近では、持ち前の文才で私生活を楽しげに綴った初のエッセイ本が話題となり、今年4月からはMCを務めるレギュラー番組が始まるなど、活躍の場は広がる。
順風満帆にも見える人生。なのになぜ、自信がないのか。
カメラは、今月幕を開ける初主演舞台「逃奔政走(とうほんせいそう)」の稽古に励む姿も見つめた。3度目となる舞台は、初めて観劇した時に「あそこに自分も立ちたい」と憧れ、以来出演を望み続けた劇団アガリスクエンターテイメントによるコメディー作品。役者や演出家それぞれが積極的に意見を出し合い、独特な作りで面白さを追求する現場は、彼女にとっても未知の世界。果敢に挑み、七転八倒しながらも演じる喜びに浸る。チャーミングな笑顔がはじけたかと思えば、どこか近寄りがたい雰囲気にもなる...。取材する側の覚悟も問われるその振れ幅にときに翻弄されながら、いまも歩みを止めない一人の俳優の姿を追った。
PROFILE
1966年8月14日東京生まれ、57歳。
1984年に第9回ホリプロタレントスカウトキャラバンで審査員特別賞を受賞し芸能界デビュー。TBS『おんな風林火山』で主演デビューを果たす。
1991年、主演ドラマ『東京ラブストーリー』が大ヒット。その後も『愛という名のもとに』や『この世の果て』など、高視聴率のドラマで主演を務める。
結婚・出産を機に芸能界を引退するが、2011年に復帰。
以後、ドラマや映画、雑誌、ナレーションなど仕事は多岐に渡る。
7月5日から始まる舞台「逃奔政走(とうほんせいそう)」では、コメディー初主演。
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:高橋秀典・松浦祥子
音効:金田智子
制作協力:トリプルレーンズ
プロデューサー:沖倫太朗・重乃康紀
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