『宇治川(宇治市)』編

#6 2022年11月06日(日)放送

宇治茶や平等院で有名な宇治市。市内を流れる清流「宇治川」は季節ごとに素敵な情景を魅せてくれます。

京阪宇治駅を降りると、まず目に飛び込んでくるのが宇治川に架かる宇治橋。日本三古橋の一つで、西暦646年(大化2年)僧侶、道登(どうとう)によって架けられた そうです。橋の途中に張り出した「三ノ間」は、豊臣秀吉が茶会を開くときに川の水を汲み上げた場所と言われていて、古事にならって年に一度「名水汲み上げの儀」が執り行われています。

夏の宇治川では風物詩の「鵜飼」を観ることができます。平安貴族の別荘地として栄えた時代は、貴族たちが川に舟を浮かべて鵜飼の見物を楽しんでいたそうですよ。

平等院に続く中州に架けられた「朝霧橋」は、朱色の欄干と緑色の橋桁がとても色鮮やか。橋のたもとに宇治が舞台の「源氏物語」宇治十帖の情景で、宇治川に小舟を漕ぎ出す様子をモチーフにしたモニュメントがあります。橋の上からの景観も素敵で、秋には川沿いの木々や周囲の山々が色づく紅葉を、冬には雪景色を楽しむことができます。

源義経が木曽義仲軍を破った宇治川の戦いは西暦1184年1月の真冬。乗馬のまま宇治川の渡河を競ったという「宇治川先陣争い」は平家物語の中でも著名な一節となっています。

春になると上流では両岸に約2000本の桜が咲いて百花繚乱の光景を見せてくれます。数々の歴史を目撃してきた宇治川。そのほとりをのんびりと歩いてみてはいかがでしょうか。きっと素敵な風景に出会うことができますよ。

※名水汲み上げの儀は毎年10月第1日曜日に開催。
※鵜飼は毎年7月1日から9月30日まで。

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