『私市円山古墳公園(綾部市)』編
#8 2022年11月20日(日)放送
綾部市私市町(きさいちちょう)の小高い丘陵に、京都府内でも最大規模を誇る私市円山古墳があるのをご存じでしょうか。古墳時代の中期(5世紀頃)に築かれた大型の円墳で、全長は81メートル、高さ10メートルという巨大なスケールです。
円墳は史跡公園『私市円山古墳公園』として開放されているので自由に登ることができます。葺石(ふきいし)や円筒埴輪(えんとうはにわ)が復元されていて、古代の雰囲気が存分に味わえるうえに、古墳頂部からの眺めも抜群。ゆったりと流れる由良川や綾部の田園風景を楽しむこともできますよ。
発見されたのは近年のこと。舞鶴若狭自動車道(旧、近畿自動道敦賀線)の建設にともなう調査で存在が確認された円墳は、1994年に国の史跡に指定されました。
墳頂部からは木棺が見つかり、中から短甲・冑(かぶと)・錣(しころ=かぶとの両側から左右に垂れた覆い)・鉄刀・鉄鏃(てつやじり=矢の先端)・農工具・鏡・玉類などの副葬品が出土。これらは2004年に府の指定文化財となっています。
道路建設のおかげで、いにしえの姿を見せてくれた古墳。当初は丘を切り崩して道路を通す予定でしたが、円墳の発見で道路はトンネル工法に変更。墳丘は保存されることになり、今では公園として整備され、みんなの憩いの場所となっています。
私市円山古墳公園で四季の移り変わりを感じながら古代のロマンに浸ってみてはいかがでしょうか。
※私市円山古墳公園(駐車場あり)
※土曜・日曜はライトアップを実施
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