『八幡の流れ橋(八幡市)』編

#10 2022年12月04日(日)放送

八幡市の木津川に架けられた「流れ橋」をご存じですか?流れ橋とはその名の通り、なんと最初から流されることを計算して造られた珍しい橋なのです。橋の正式名は府道八幡城陽線 上津屋橋(こうづやばし)

京阪本線の「石清水(いわしみず)八幡宮駅」から京阪バスに乗って「上津屋流れ橋」で下車。歩いて3分ほどで流れ橋に出会うことができますよ。

構造は木造りで欄干(らんかん)がなく、丸太で組んだ橋脚の上に橋桁を渡しただけの素朴な装い。その姿が何百年も前に架けられた橋のような印象で、まるで江戸時代にタイムリープしたような風景が広がります。映画やテレビの時代劇の撮影によく使われていることからもフォトジェニック間違いなし。

橋の長さは356.5メートル、幅3.3メートルで、木造の橋としては日本最長級です。最大の特徴はやはり「川が増水した時に流されてもかまわない」ということでしょう。増水時には橋桁が水面に浮き、いかだのように流れることで水の圧力を受け流して橋全体が崩壊するのを防ぎます。ワイヤーロープで橋桁と橋脚が繋がれているのでロープを引き上げるだけで橋桁を橋脚の上に戻すことができ、復旧にかかる時間も短縮できるそうです。

初めて橋が架けられたのは昭和28年。完成してから4か月後にさっそく増水で流され、以来23回も流されてはその度に復活して立派に役目を果たしているようですよ。

洪水時にあえて流されるように、と設計された流れ橋は昔ながらのおもむきを残す、知る人ぞ知る人気スポットです。

Movie