里山の習慣
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BLOG里山の習慣
2020.02.12
柊イワシって知ってます?
事務所の裏は大家さんのお宅なんですが、事務所裏で休憩していたら、一風変わった物を見つけてビックリしました。魚の頭を枝に刺さしたものが、壁に刺さっているではありませんか!?大家さんは猫を買っているから、猫の餌か?いや、まさか大家さんが現代アートに目覚めたのか?いや、新手のギャグなのか?うーん・・・真面目な方なのでそんなことはないだろう・・・。妄想を膨らませてもわからないので、調べてみることに。調べてみると、これは柊鰯(ひいらぎいわし)といって、節分の時に、写真のようにヒイラギにイワシを刺して、入り口の近くに飾る風習があるんですね。しかも日本各地に・・。柊のトゲトゲの葉が鬼の目を刺すので入り口から鬼が入らず、鰯を焼く匂いと煙で鬼を追い払う魔除けの風習のようです。古くからある風習のようですね。見たことがなかった私にとっては、かなりのカルチャーショックでした。日本の文化って興味深いです。そんな文化が京北にはまだ残っているって素敵だと思います。こちらは別の柊鰯。やっぱり奇抜な現代アートに見える・・・。柊鰯の風習を知った今、これは現代アートというよりは、日本の精神文化が垣間見える古典アートのように思います。文化は芸術ですからね。
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BLOG里山の習慣
2020.01.13
宇野地区の新年会にて
本日は、私が住んでいる宇野地区の新年会があり参加してきました。地区には公民館はなく、お寺に集まります。朝一、お寺の横にある八幡神社にて、宮司さんに祝詞をあげてもらいました。宮司さんが帰ったあとは、今度はお寺の中に入って、仏壇の準備。そしてご住職にきてもらって、お経をあげてもらいました。慌ただしく一通り儀式が終わったあとは、新年会。美味しいお料理とお酒を頂いて、地域住民の懇親を深めました。そのあとは、お隣さんのお呼ばれして、もう一杯。完全に飲み過ぎました・・・。いやーそれにしても、日本人の宗教観って不思議です。神道の行事をした直後に、仏教の行事をする。海外で例えるなら、キリスト教のお祝いをした後に、イスラム教のお祝いもするって感じなんですかね。ベースには多神教である神道の八百万の神への信仰があって、仏様もその中の神様だからOKって感じだと私は認識しています。私が外国人から"どの宗教を信じていますか?"と問われたら、"特定の宗教は信じていませんけど、仏教と神道をなんとなく信じています・・・。"と曖昧な答えをするかと思います。この宗教観は科学や経済の発展、戦後教育、歴史の背景、オウム事件などいろんなことが影響していることに、加えて、仏教や神道が生活や文化の中に馴染み過ぎているから、曖昧になっているように思います。私はこの曖昧な感じ結構好きです。京北では過疎化が進んで地域の伝統文化が失われつつあります。文化継承は曖昧なままにせずに、ちゃんとしたいものです。次世代でも伝統行事が続けられるように、本質的なものは残しつつも、人が少なくても出来る、今の形に変える必要があるのかもしれませんね。
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BLOG里山暮らし
2020.01.04
手刷りの年賀はがき
新年明けましておめでとうございます。みなさんはどんなお正月を過ごされましたか?ところでみなさんは年賀状は出しますか?近年は年賀状の利用も減ってきていて、今のご時世、メールや電話で済ませる方も多いかと思います。会社などでは環境に配慮して年賀状は出さないというところもあるかと思いますが、今の便利な時代だからこそ、逆に年賀状は素敵だと思います。ということで、里山デザインでは年賀状を出すようにしています。今年は版画を利用してシンプルなデザインにしました。一つ一つ手刷りで、インクが刷れ具合が良い味わいとなりました。やっぱり手仕事には不思議な魅力があります。今年も里山知新で里山の温もりをみなさんにお伝えします!2020年もみなさんにとって素敵な年になるように心よりお祈り申し上げます。
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BLOG里山の習慣
2019.12.24
里山的クリスマスプレゼント
友人の農家さんの家に行ったら、ヘチマのたわしをクリスマスプレゼント?にいただきました。事務所に持ち帰り、机に立ててみたら、現代アートっぽくてカッコいいではありませんか。自然が作る造形はやっぱり一番美しいです。輪切りの断面から見たら顔みたい。ここ最近、マイクロプラスチックの海洋汚染が問題になっていますが、ご存知でしょうか。マイクロプラスチックはフリースなど化学繊維の衣服等を洗濯したら、大量に出て海を汚染しています。厄介なのが、マイクロプラスチックはとても小さくて下水処理場のフィルターを通過してしまうんです。そして、魚などが食べて、最終的には人間も食べているようです。このヘチマのたわしを使えば、キッチンやお風呂場から出るマイクロプラスチックを出さずに済みます。もちろん、使い心地も最高です。昔からある里山の日常の暮らしの中には、現代の社会問題解決のヒントがたくさんあります。私は新しいテクノロジーも好きですが、やっぱ里山の昔ながらの知恵は素晴らしいと思います。まさに、里山知新です。皆さんもヘチマのたわし いかがでしょう?
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BLOG行催事
2019.08.14
小塩の上げ松
夏の京都といえば大文字焼きなどの五山の送り火が有名ですが、京都の北部山間地域ではあちこちで松上げという伝統行事が行われます。この松上げ(上げ松)は古くより愛宕神社の信仰で火伏・防火の祈りが込められています。京北の小塩地区でも毎年、8月23日前後の土曜日(今年は24日)に、防火や豊作、無病促進などの願いを込めてこの松上げ(上げ松)が行われます。小塩の上げ松は、高さ15メートルの「灯篭木」の先端に直径2m高さ4mの「もじ」と呼ばれる杉葉等を詰めたカゴのようなもの中に、男性たちが松明を投げ入れて行われます。男性たちの掛け声のなか、松上げを見学するのはエキサイティングです。まだ見られたことがない方は、是非この機会にお立ち寄りください。ちょっとした出店の出店もありますので、家族連れでも楽しめますよ。 公共機関でのアクセスがあまり良くないので、自家用車で行かれることをお勧めします。・小塩松上げ日時 8月24日(土)20:00〜場所 京都市右京区京北小塩町一本道を進むと会場の奥の方へ臨時の駐車場がありますので、そちらをご利用ください。
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BLOG里山の習慣
2019.05.20
葵の葉と雷様
先日の15日は、京都三大祭りの一つ、葵祭が開催されましたね。華やかな平安絵巻とも言える齋王列をご覧になられた方々も多いのではないでしょうか?葵祭は賀茂別雷神社(上賀茂神社)と賀茂御祖神社(下鴨神社)の列祭です。そして、実は京北にも上賀茂神社ゆかりの神社、「賀茂神社」があります。賀茂神社は、京北トレイルのコースの途中ルートにも位置している山の中に、ひっそりと厳かにたたずむ神社です。実は、この神社は3年前に建立千年目を迎えました。この地域のご先祖様の代から、代々地域の方々の手で大切に守って来られた神社です。そして毎年、葵祭に合わせて大祭が行われます。上賀茂神社と同じ、雷(いかずち)の神様を祀り昔から田植えが終わる、葵祭と同じ15日(現在は、15日に近い日曜日)に、地域の氏子の皆さんでお参りをします。境内にある三宝には、みどりの若葉が盛られ祀られています。一体、これは何だと思いますか?これは、実は御守なのです。桂の木に葵の葉がつけられています。これを家に飾っておくと、落雷に遭わないと言い伝えられており、その年ごとの神社の氏子当番を務めてくださる方々が地域の氏子家庭分、作ってくださいます。五穀豊穣もですが、京北は代々の昔から林業が栄え、山に入る杣人の方々が山仕事中に落雷などに遭わないよう、願いも込められているのでは?とも言われています。千年もの昔から、この風習が継承されていることを思うと、京北の方々が神仏や文化を本当に大切にされているという事がよくよくわかります。我が家も、有難く御守をいただきました。今年もこれで落雷除け完了です。
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BLOG里山の習慣
2019.05.08
田んぼの季節
4月末から京北では、田んぼに水が張られて、夜になるとカエル達の大合唱があちらこちらから、聞こえてきます。GWに多くの農家さんが田植えをしていましたよ。田植えと言っても、今の時代はほとんどの農家さんが田植え機を使って田植えをします。田植え機はちょっとガンダムみたいで、かっこいいです。田植え機のスピードは半端ないですよ。後ろに6から8本ほど手のようなものがついて、どんどん植えていきます。たぶん、100倍くらい早いです。しかも均等できれいに。もしこの世から田植え機が無くなったら、令和米騒動の勃発するかもしれませんね。あーありがたや、文明の利器。個人的には、手植えで手刈りの伝統的な農法が絵になって好きですが、農家さんにそんな無理はさせられません。以前、友人達と手植え手刈りで田んぼをやったことがあるですが、想像以上に手間暇かかって大変でした。費用対効果を考えたら、買うのが楽です。けどお米作りは楽しいし、自分のお米の収穫の喜びは最高でした。散歩していたら、お米農家のおじさんが何かしているのを見かけたので、声をかけました。いきなりですが、里山クイズ!!Q.このおじさんはいったい何をしているのでしょうか?1.宝物探し。2.鹿用のネットを張る準備をしている。3.若い稲の食べる虫をやっつけている。4.モグラの開けた穴を塞いでいる。ヒント. こちらの写真では、おじさんは何かを確認しているようですね。答えは写真の下にあります。答えは「3.モグラの開けた穴を塞いでいる」でした。なぜモグラの穴を塞いでいるかというと、穴が空いていると、田んぼの水が抜けてしますからです。稲はもともと熱帯出身の植物なので、暖かい方が育ちがいいです。田んぼに水が貯まらないと、冷たい水を入れ続けないといけないので、稲によくありません。また、水が抜けてしまうと、雑草が生えてきてしまいます。これから、稲の生育が楽しみです。お米は寒暖の差があるところが、美味しいと言われています。稲が光合成により蓄えたデンプン(美味しさ)は、夜間の気温が高いと、稲は蓄えたデンプンを消費してしまいます。夏場でも夜は涼しい京北。ミネラルたっぷりの山の水を使った京北のお米は美味しいんです。食べて見ればわかりますよ。ウッディー京北で京北のお米が購入の出来るので、是非お試しあれ。
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BLOG里山の習慣
2019.02.15
木箱シリーズpart2
先日のブログ「世にも奇妙な木箱」。 ブログを書いたスタッフの町内には 毎月1日に、近所の稲荷神社に赤飯をお供えする風習があるという話でしたが、実は、私の住む町内にも木箱が回ってくる習慣があります。その木箱が、おととい帰宅すると置いてありました。我が家にも回ってくるこの木箱には、引き出しがついていて、引き出しをあけてみると、 たくさんのローソク。 ん?なんのための木箱?その答えは、「火灯し」。町内にある神社の灯篭に、町内の安全と氏子の家内を願い、火を灯します。この地に暮らす先祖代々の人々に大切に守られてきた風習。町内とみなさんの安全をお祈りし、 そして、「この場所から歴史と町内の移り変わりを見てきたんだろうなぁ。」 そんな事を思いながら、 今夜もそっと、灯りを灯します。