BLOG京ノ旅手帖2020.08.07

「立誠ガーデン ヒューリック京都」が河原町に誕生!開業までの歴史や話題の施設をご紹介。

By西垣 愛佳

2020年7月21日、京都の繁華街・四条河原町からほど近くの木屋町通り沿いにオープンした「立誠ガーデン ヒューリック京都」。宿泊施設や図書館、多目的ホール、飲食店などを備えた複合施設です。

今回は、この「立誠ガーデン ヒューリック京都」の開業に至るまでの歴史や施設の概要にフォーカスする『「立誠ガーデン ヒューリック京都」が河原町に誕生!開業までの歴史や話題の施設をご紹介。』と、関西エリア初進出ホテル「ザ・ゲートホテル京都高瀬川 by HULIC」に誕生したアーティストとのコラボレーションルームに焦点を当てた『「ザ・ゲートホテル京都高瀬川 by HULIC」アートと一緒に泊まれる特別なお部屋』の2本立てで徹底リポートします。

クラシカル&モダンなたたずまいの複合施設「立誠ガーデン ヒューリック京都」

四条河原町の交差点から徒歩5分ほど、古き良き京都と新しい京都が共存する四条木屋町に、新たな複合施設「立誠ガーデン ヒューリック京都」が誕生しました。ホテル・図書館・地域活性の拠点となる多目的ホール、さらに飲食店など8店舗と幅広い機能を備えた施設で、旅行者だけでなく地元の人々も楽しめる要素が満載です。そして、建物のベースとなっているのが、この地に100年近く立ち続けている「立誠小学校」です。

明治2年に開校した立誠小学校

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旧校舎の外観がほぼそのまま残された(2017年撮影)

立誠小学校は、1869年(明治2年)に京都で当時の町の自治組織「番組」ごとに力を合わせて創設された学区制の小学校64校のひとつとして誕生した下京第六番組小学校が前身で、現在の校舎は1928年(昭和3年)に建て替えられたものです。1993年(平成5年)の閉校後も自治会活動や映画の上映会など地域の文化発信地として使われてきました。しかし、老朽化が進んだため、2017年に京都市の有識者委員会が総合不動産会社ヒューリックを運営会社に選び、地元の自治会を加えた3者で協議して、開発計画を進めてきたのです。こうして開業した「立誠ガーデン ヒューリック京都」は、貴重なロマネスク様式の近代建築である元立誠小学校の校舎を保全・再生した既存棟と、そのデザインに調和するように建てられた新築棟から構成されています。

国内3軒目、関西エリア初となる「ザ・ゲートホテル」

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既存棟(Schoolhouse棟)の23階と新築棟(Main棟)の28階に開業するのが、関西エリア初進出の「ザ・ゲートホテル京都高瀬川 by HULIC」。既存棟・新築棟あわせて184の客室は、平均面積32㎡という広めの部屋となっていて、室料は46万円が中心となっています。木屋町の賑わいを感じながらも、リラックスして過ごせるでしょう。京都で活動するアーティストとのコラボレーションルーム「Lab」もあり、上質な京都旅を彩ってくれます。

懐かしさに包まれながらくつろぐ贅沢

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自分の母校でなくても、学校を訪れるとこみ上げてくる「懐かしい記憶」。ここでは、誰もがそんな懐かしさに包まれることができます。ホテルの中に「ここが学校だった」面影があふれているからです。道徳や礼儀作法を学ぶ「自彊(じきょう)室」として使われた60畳の大広間を宿泊者や地元の方々が利用できる「リトリートルーム」として再活用したほか、廊下や階段などにも学校だった頃の形跡が残っています。

最上階のレストランからは東山を一望

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宿泊者でなくても利用可能な8階のレストランとロビーラウンジは、鴨川や南座はもちろん、知恩院や清水寺まで、東山の大パノラマを一望できる希少な場所になっています。開放的なテラス席、落ち着いたおしゃれな雰囲気のバーカウンターとさまざまなシチュエーションで料理やお酒を楽しむことができそうです。

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ほかにも宿泊者専用のラウンジ&パティオなど、非日常を満喫できる「くつろぎの空間」が用意されています。

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■ ザ・ゲートホテル京都高瀬川 by HULIC

京都市中京区蛸薬師通河原町東入備前島町310-2
阪急・京都河原町駅から徒歩3分、京阪・祇園四条駅から徒歩5分
075-256-8955
宿泊の詳細・ご予約はこちら

引き続き地域との交流の拠点に「立誠ひろば」&「ヒューリックホール京都」

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「立誠ガーデン ヒューリック京都」の玄関口で、青い芝が敷かれた約1,200平方メートルのオープンスペース「立誠ひろば」。地域のお祭りや民間のイベントなど、地域全体が明るくなるような催しが開催される予定です。

さらに閉校後も地域の文化的拠点としてさまざまな情報を発信してきた元立誠小学校のDNAを受け継ぐ場所として、約200もの客席を持つホール「ヒューリックホール京都」も開業します。

カテゴリーごとに3000冊の図書を所蔵「立誠図書館」

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歴史的資産と地域の魅力を発信する「立誠図書館」。世界中の本棚や売り場をプロデュースしているBACHのブックディレクター・幅 允孝(はば よしたか)氏が図書の選定を担当しています。プレオープン時には、あらゆる視点から京都を眺めた「京都歩きの本棚」、立誠小学校やこの土地からみる風景などに関する「立誠小学校DNA の本棚」、京都の魅力的な食情報を集めた「食べる本棚」と、3つのジャンルに分類していましたが、「立誠ガーデン ヒューリック京都」オープン後には、子どもから大人までさまざまジャンルの学びに触れられる「世界の入り口となる本棚」と「アートの本棚」が登場!図書約3000冊を5つのカテゴリーに分けて所蔵しています。

●開館時間...11~17時(複写は~16時)
●休 館 日...月曜、年末年始
●貸  出...サポーター、会員に登録し(1000円~)の上、貸出カードを作成。
      1人3冊、2週間貸出可能。

ランチやスイーツ、ドリンクもおまかせ!話題の8店舗が出店

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「立誠ひろば」の芝生の先にある新築棟には4つの店舗、既存棟の中には4つの店舗が出店。
金沢生まれのオリジナルレシピを使用した本格レモネード専門店「LEMONEDE by LEMONICA」、タピオカミルクティー発祥の店として台湾で国民的人気を誇るお茶カフェ「春水堂(チュンスイタン)」、東京・原宿で人気のロールアイス専門店「MANHATTAN ROLL ICE CREAM」、京都産食材にこだわった料理を提供するビアダイニング「MASTERS DREAM HOUSE KYOTO」の4店舗は京都初出店です。
そのほか、京都の老舗漬物店・京つけもの 西利の発酵食品をおしゃれに味わえるカフェ「アマコウカフェ 発酵CAFÉ&BAR」や、香り雑貨の企画・製造・販売などを行う株式会社アート・ラボが運営するクラフトショップ「cotoiro」は、新業態の店舗。全国でここにしかないないレアなお店です。さらに京都3号店となる「ブルーボトルコーヒー 京都木屋町カフェ」や、京都府の焙煎家に特別注文した豆を使いハンドドリップで提供する「TRAVELING COFFEE」も、要チェック。テイクアウトできるドリンクやフードを買って「立誠ひろば」で味わうのも良さそうですね。

プロモーションビデオ「立誠のうた」

7月18日に行われた「立誠ガーデン ヒューリック京都」の開業式典で上映され、卒業生や建設関係者ら招待客に好評を博したプロモーションビデオ。立誠小学校の成り立ちから再開発に至るまでの経緯を綴った前半パートと、「ザ・ゲートホテル京都高瀬川 by HULIC」の施設の魅力をプロダンサーたちによるオリジナルフラッシュモブ動画で表現した後半パートからなる動画です。

立誠小学校の歴史を感じながら、見る・食べる・泊まるというさまざまなコンテンツを用意している「立誠ガーデン ヒューリック京都」。京都への旅行者だけでなく、地元や近隣の方も楽しめる施設になっているので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。「ザ・ゲートホテル京都」のアーティストとのコラボレーションルームについては、次回に掲載する『「ザ・ゲートホテル京都高瀬川 by HULIC」アートと一緒に泊まれる特別なお部屋』で詳しく紹介します。

■ 立誠ガーデン ヒューリック京都

●ウェブサイト
ザ・ゲートホテル京都高瀬川by HULIC https://www.gate-hotel.jp/kyoto/
ヒューリックホール京都 https://hulic-hall-kyoto.com/
立誠図書館 https://www.bunmachi.org

ライター
西垣 愛佳 にしがき あいか

京都の編集プロダクションエディットプラス所属のライター。おいしいも のを求めて散歩するのが週末の楽しみ。最近は御朱印集めにはまっていて、 梨木神社でいただいた御朱印がお気に入り。

カメラマン
マツダナオキ

京都の街に魅せられて移住してきた、京都歴8年のカメラマン。料理、人物、建築等ジャンルを問わず撮影する。コーヒーが好きで、カフェによく行く。