9月19日放送の「プレバト!!」俳句査定は、特待生候補が一堂に会した「特待生昇格スペシャル」が行われ、馬場典子と光浦靖子が新特待生に昇格を果たした。“才能アリ1位”を獲得した光浦の一句は“無花果(いちじく)”を「神の領域で見ている感じ」で詠んだ独創的なもので、夏井先生は「この人は作家ですね。あなたは本当に才能があります!」とベタ褒め。「今年いいこと何もなかったの…」とボヤいていた光浦だったが、「いいこと来たね!」と感極まっていた。
馬場典子が特待生昇格で「なるなる詐欺」の汚名返上
今回のランキング戦は、特待生候補が一堂に会した「特待生昇格スペシャル」。初参戦でいきなり"才能アリ"を獲得した森口瑤子、過去2回獲得の田山涼成、光浦靖子、3回獲得の馬場典子、4回獲得のパンサー向井慧が「秋の果物屋さん」をお題に昇格を争う。
まず、昇格すれば鈴木光以来のスピード出世となる森口が「唐黍(とうきび)は縦一列をむしり食む」で"才能アリ3位"にランクイン。俳人・夏井いつき先生は「それがどうした?という句ではありますが、どうでもいいことを書いて文学作品になるのも俳句の面白いところ。結構、手練れの句」と高く評価。一方で、「前回の句は"仏壇の向日葵"、今回は"唐黍"。広い景色、大きなものを詠めるかどうか、もう1回確かめてから」と昇格は残念ながらお預けに。
"才能アリ"だからといって昇格できないハイレベルな戦いが幕を開け、続いてついに1人目の特待生が誕生することに。
<才能アリ2位 特待生昇格>
マンションに代わりし八百屋秋夕焼
馬場典子
「大好きだった八百屋さんが数年前に閉店してしまって、久しぶりにどうなっているかなと訪れたらマンションに代わっていて。寂しさと懐かしい思い出を"秋夕焼"に込めてみました」
特待生に上がれそうで上がれず、「なるなる詐欺です」と自嘲気味に語っていた馬場だったが、"才能アリ2位"にランクインして「やったー!やったー!」と大喜び。夏井先生は「非常にきっちりできている句。眼前の"マンション"、"八百屋"という過去の光景。一句の中に現在と過去、時間と光景も一緒に書いても破綻していない。最後の"秋夕焼"では現在も過去も変わらない季節を刻んでいる。相当勉強された跡がちゃんと見えます」と絶賛。さらに「これだけ自分で勉強できる人は特待生になっても大丈夫!」と太鼓判を押し、特待生昇格が決定。馬場は「本当? うれしい~」と両手で小さくガッツポーズ。
光浦靖子が「神の領域」の一句で新特待生に
そして、高得点をマークしながらパンサー向井が"凡人4位"、田山も"凡人最下位"となり、昇格の可能性が濃厚な"才能アリ1位"は自信喪失していた光浦に。
<才能アリ1位 特待生昇格>
無花果や苛めたきほど手に懐き
光浦靖子
「無花果(いちじく)の形と重みが、ペットみたいでかわいいんです。かわいいからこそ、ベッとやりたくなる感情」という独創的な句を詠んだ光浦は、人生初の"1位"に輝いて「うほー!やったー!ひゃあ~」と信じられない様子。
夏井先生は「季語の感触をここまでリアリティーとオリジナリティーを持った表現で書けるのは大したもの。本当に素晴らしい! 17音全部使って"無花果"という季語のことだけを書く一物仕立てですが、これ難しいんです」と大絶賛。「本人から形や重みというお話がありましたが、無花果って無防備なペットっぽいんですよね」と光浦の感性に理解を示すと、光浦も「そうなんですよ! 神の領域で見ている感じで」と言い出し、先生も「わかるよ!」とうれしそう。
さらに、「無花果以外でこの感覚を表現できるものは、なかなかない。やっぱり、この人は作家ですね。あなたは本当に才能があります!」とお褒めの言葉は止まらず。「マジでか?」と口をあんぐり開けて驚く光浦に、「久々に期待の特待生だと思います」と文句なしの昇格を宣言。光浦は「私ね、今年いいこと何もなかったの...。でも、いいこと来たね!」と感極まっていた。
フジモンと夏井先生が"アップルパイ"連呼で、MC浜田が「だんだん先生も笑いが分かってきた」
特待生昇格試験には、名人4段のKis-My-Ft2・横尾渉、名人10段のFUJIWARA・藤本敏史が登場。横尾は惜しくも"現状維持"となるが、帝王・梅沢富美男らと"永世名人への道"を争うフジモンはいつになく気合十分。ライバルの中でも後輩のフルポン・村上健志の存在が気に食わないようで、「村上をよく飯に誘っていたのですが、(タイトル戦を)春夏連覇してから1回も誘ってません。嫌いになりました」と器の小さな発言でスタジオを笑わせ、渾身の一句を披露する。
<1つ前進 ☆1つ>
アップルパイの焼き立ての札花鶏来る
FUJIWARA 藤本敏史
「パンが好きでよくパン屋さんに行くのですが、アップルパイの焼き立ての札が出ていたんですよ。焼き立てのアップルパイが。アップルパイが一番推したいところ。僕の中でアップルパイはおしゃれなお菓子のイメージなんです」とアップルパイを連呼。これにはMCの浜田雅功も「もうええよ! アップルパイは!」とうんざり。
しかし、夏井先生まで「この句の評価のポイントは"アップルパイ"の是非です」と言い始め、浜田は「言うなって!」と大声でツッコみを入れ、「だんだん先生も笑いが分かってきた」と大喜び。さらに「1つ前進」の査定結果が告げられると、フジモンは「1ランクアップルパイ!」とダジャレでダメ押しする場面も。
先生は「"花鶏(あとり)"は秋になるとシベリアから渡ってくるかわいい鳥なんです。この鳥を季語として押さえて、まさに今焼き立てのアップルパイの香ばしい香りがしてきます。"札"とやるだけでちゃんとパン屋さんの店先まで見えてくる。これが分かっているのが名人」と褒めたたえ、「小鳥でもいいけど"花鶏"の方が秋らしい気分の色になる。そしてアップルパイのりんごも秋の季語なんです。秋の実りの豊かな感じが香ってきますね」と名人にふさわしい一句を絶賛していた。
俳句甲子園日本一の高校生とプレバトチームが真剣勝負!
さらに、今回は「俳句甲子園」日本一の青森県立弘前高校とプレバト名人・特待生の俳句対外試合の模様も放送。「俳句甲子園」は毎年8月に愛媛県松山市で行われる高校生の全国大会で、相手チームの句への"質疑応答"という独特のルールがあり、そのディベートの結果が勝敗を左右することも。プレバトチームは優勝校に過去2連勝しており、今回は名人10段の東国原英夫とフルーツポンチ 村上健志、特待生1級の立川志らくが参戦。しかし、その"質疑応答"がプレバトチームの落とし穴になってしまう。
大会の地・松山の「道後温泉」をお題に3本勝負が行われ、まずフルポン・村上と弘前高校2年の西野結子さんが対戦。
湯上りの夜の道後よ秋めきぬ <4票>
フルーツポンチ 村上健志
湯冷めして脳の吸われていくやうな <7票>
弘前高校2年 西野結子さん
質疑応答では弘前高校の武田鮎奈さんが村上に対し、「要素を入れすぎている。気になったのは"夜の道後"。"秋めく"だけで十分涼しさが出るのでは」と先制攻撃。しかし、村上は「本当にそうなんですけど...」ともっともな指摘に何も言い返せず撃沈。結果も"脳の吸われていくやうな"と大胆な発想を飛ばした西野さんに大差で敗れ、赤っ恥をかいてしまう。
続いて、東国原と弘前高校2年 若井未緒さんが対戦。東国原は正岡子規に似た蝗を見つけて食べたというユニークな自信作で勝負をかける。
子規に似た蝗(いなご)がおった食うたった <8票>
東国原英夫
からくりの人形踊り秋の暮れ <3票>
弘前高校2年 若井未緒さん
質疑応答では東国原が「子規の横顔がなんかイナゴに似ている。本当はバッタにしたかったけど、バッタは食べないよなって」と思わず本音をポロリ。それを弘前高校の武田さんは見逃さず、「それって食べれるからバッタに変えたんですか。季語が動いてしまっているのはいかがなものか」と鋭く指摘。結果は東国原が勝利を収めたが、審査員から「裏側を暴露するようなディベートだったが、黙っていればいい話」と東国原の発言はマイナスだったとお説教される一幕も。
1対1で迎えた最終決戦は志らくと弘前高校3年 小枝安奈さんが激突。志らくは「高浜虚子の字余りの句の最高が25音だったので、それを越えてはいけないと思って」という20音も使う大胆な字余りの句を披露する。
消灯直前(まえ)に来た客と月夜の温泉(ゆ)の中 <1票>
立川志らく
番台の隠れ飲みたるラムネかな <10票>
弘前高校3年 小枝安奈さん
ディベートではフルポン村上が「ラムネって隠れて飲むにはめちゃくちゃ不便。カランカラン音出ちゃうし」と指摘したが、小枝さんに「隠れて飲む背徳感とか、でもラムネを飲んだ爽快感が伝わるんじゃないでしょうか」とより後ろめたさが生まれると反論され、何も言い返せず。さらに東国原も「番台に隠れるってどんな状況なの?」と畳みかけたが、またも小枝さんは「隠れるのが難しいところもスパイス」とむしろ句の良さだとアピール。このディベートの大失敗が響き、何と志らくが大差で敗れ、プレバトチームもボロ負けする結果に。
散々な結末に、夏井先生は「今回はチームワークの差。ラムネの句だって、音が出るけど、こっそり飲む。そこにおかしみがあるわけだから。相手に塩を送るような質問を投げて、向こうに評価点がどんどん入っていった。戦い方が下手なのよ、3人とも!」と大呆れしていた。
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さて、次回の俳句査定のお題は・・・
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