1月23日放送の「プレバト!!」俳句査定は、「冬の新宿駅」がお題。ランキング戦では、的場浩司がビーバップ・ハイスクール時代の写真と共に「7割くらいの確率で“職質”を受けた」と告白。その実体験をストレートに詠んだ句を披露し、見事に“才能アリ1位”を獲得。夏井先生が「言葉の経済効率がとても良い! 最初の“職質”という一単語だけで、状況が全部立ち上がってきます」「やはり実体験ほど強いものはない!」と大絶賛した。
的場浩司ビーバップ時代の実体験"職質"俳句
今回のお題は「冬の新宿駅」。ランキング戦には、東京出身の早見あかり、平井理央、村田琳、埼玉出身の的場浩司、千葉出身の小倉優子の5人が参戦し、新宿駅での実体験や発想を飛ばした句を披露。なんと才能アリが3人も続出するハイレベルな戦いに。
まず、電車内での娘とのしりとりを「『モノレール』に『ルール』と返す冬スバル」と詠んだ小倉が"才能アリ3位"。続いて、俳人・夏井いつき先生が「1位にするか悩んだ」という"才能アリ2位"には「オーディション帰りの車窓波の花」と詠んだ早見がランクイン。その後、平井が凡人4位、村田が"才能ナシ最下位"となり、"才能アリ1位"に輝いたのは「ビーバップ・ハイスクール」時代の衝撃の実体験を詠んだ的場だった。
<才能アリ1位>
職質をするもされるも着膨れて
的場浩司
「映画(『ビーバップ・ハイスクール 高校与太郎完結篇』)の撮影・稽古の帰りに、ほぼ7割くらいの確率で職質(職務質問)を受けていて。寒かったんで、僕も着膨れて。でも、お巡りさんも制服の上にジャンパー着ていて。2人で寒そうにしながら、『お前、何なんだ?』『役者です』『ウソつけ!』みたいなことをやっていたんです」
そのリアルすぎる句を夏井先生は「言葉の経済効率がとても良い! 最初の"職質"という一単語だけで、状況が全部立ち上がってきますね。警官ともう一人の人物が否応なく出てくる。ここだけでお見事なんです!」と大絶賛。
そして、「"するもされるも"となった後に"着膨れ"という冬の季語が出てくるわけです。片方は当然、警官。しかも、パトロールの厚手のジャケットみたいのを着ている。職質を受けている方も着膨れている。詠んだ人の頭に浮かぶじゃないですか。そして、もう一つ褒めないといけないのが最後の"着膨れて"。言い切らないで余白を作っている。これによって、この後本当に警官に引っ張っていかれるのか、人違いでしたになるのか、脅されて解放されるのか。読み手の側に任されるわけですね。飄々とした述べ方にも味わいがあります」と解説。「やはり実体験ほど強いものはないと思います。お見事でした!」とお褒めの言葉が止まらなかった。
村上「良くするのやめてくれよ!」夏井先生にかみつき...
特待生昇格試験には名人3段・中田喜子、"永世名人への道"に挑む名人10段・フルーツポンチ 村上健志が登場。熾烈な"永世名人"争いで、帝王・梅沢富美男を猛追するフルポン村上は「新宿は劇場もありますし、バイトも新宿で7年くらいやっていたので、かなり縁があります」といつになく自信満々。
<1つ後退 ☆3つ→☆2つ>
風花や額縁買って帰る午後
フルーツポンチ 村上健志
「新宿と聞いて、僕は(画材・文房具店の)世界堂を思い出したんです。額縁って基本的には変なものを飾ることはないじゃないですか。絵とか賞状じゃないですか。額縁という言葉が持っているパワーが、まずハッピー。冬の寒い中だけど、青空に雪がちらついている光景が。額縁を買って帰る午後、寒いけどさ、冬って悪くねえじゃんっていうさ」
メルヘン脳全開でニヤまくっていた村上だったが、まさかの後退査定が告げられ、「なーーんでぇーー!」と大絶叫。「星すぐ取り上げるじゃん!」「無理だよ! 星5つって」と駄々をこねまくる。
夏井先生は「損しているのは、ここなんです。"買って""帰る""午後"と時間がダラダラと長くなってしまうんです。"風花"というのはずっと飛んでくる感じではなく、『あっ風花だ』というくらいの時間。午後中ずっとなんてことはない。語順の問題なんです。語順を変えるだけで、時間軸を短くできるんです」と季語と時間の長さが合っていない問題点を指摘。
<添削後>
風花を帰る額縁買った午後
「簡単なことなんです。風花の中"を""帰る"。ここで切れます。そして、"額縁買った午後"。これだけのことです。"帰る"と"買った"という動詞が分断されるので、そこで時間が一瞬で重なってくれるんです。こうしたら文句なく、1つ上に行きましたね。もったいないね」
あまりに見事な劇的添削に、村上は悶絶しながら「もう、良くするのやめてくれよ!」と意味不明な発言。浜田が「はあっ? 良くするために先生がおるんやから」と真意を問いただすと、村上は「先生がちゃんとしちゃうと、やっぱり俺が間違っていたってバレちゃう...」。あまりに情けない言葉にスタジオの一同は大失笑。浜田も「そりゃあ、そうやん!」とあきれ返っていた。
1ランク昇格の中田喜子が大はしゃぎ「はっはっは!」
冬のタイトル戦では屈辱の最下位に終わった中田は、汚名返上すべく渾身の一句を披露。
<1ランク昇格 名人3段→4段>
誘導鈴風花ひかる改札へ
中田喜子
「誘導鈴というのは、ホームの自動ドアが開いたときに鳴るチャイムのこと。そのチャイムが新宿南口の改札へ誘導していくような。"風花"は晴れた日に雪がパラパラと降ることですが、それがとってもきれいなんです」
夏井先生の評価のポイントが「下五の助詞"へ"の是非」だと明かされると、不安に駆られた中田は「ひっ!」と悲鳴を上げたが、1ランク昇格が告げられると、一転して満面の笑みで「あーっ! はっはっは!」と大はしゃぎ。
夏井先生は「"風花"という季語がこの位置にあるのが良いですね。上五で音が響く中に"風花"。青空と風に飛ばされてくる雪の粒が光るかのよう。そして最後に"改札"という言葉が出てきて、あっ駅なんだと分かる。駅のホームから改札へ。"風花"も"誘導鈴"も導くように光っているし、鳴っている」と句の味わい深さを解説。
さらに、「"へ"という方向を示す助詞だけで、視覚に障害がある人が白い杖をつきながら歩いていく姿が見えてきました。この句の中に人物は書かれていませんが、人物を読み手の脳の中に見せてくれる。こういうところが、この句の"技あり"だと思います」と褒めちぎった。
◇
さて、次回の俳句査定のお題は・・・
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