1月30日放送の「プレバト!!」俳句査定は、“永世名人への道”に挑む名人10段・梅沢富美男が番組史上初めて星4つを獲得し、ついに永世名人の座に王手をかけた。梅沢は「タブーに挑戦しました!」と俳句では避けるべき“中八”の句をあえて披露。夏井いつき先生は「総合的に見て、おっちゃん(梅沢)の判断を良しとしました!」とタブーを打ち破った句を褒めたたえ、梅沢は「なっちゃん(夏井先生)愛してる!」と大喜び。前人未踏の快挙に、梅沢は「これがミスタープレバトですよ!」「私がいつもトップでいなければいけないんです!」と満面のドヤ顔を決めた。
森口瑤子の初昇格句を夏井先生が絶賛「スタンスは絶対に変えない方がいい!」
今回は「冬の銀座での買い物」をお題に、特待生昇格試験に特待生5級の森口瑤子、"永世名人への道"に挑む名人・10段の梅沢富美男が登場。初めての昇格試験に挑む森口は「ここ気持ちいいから、落ちたくない」と特待生の座を死守すべく、銀座から地元・下町の砂町銀座に発想を飛ばした一句を披露する。
<1ランク昇格 特待生5級→4級>
道草は砂町銀座おでん食ふ
森口瑤子
「私は江東区で育ったのですが、砂町銀座というすごく大きな商店街があるんです。中高生の頃は道草に焼き鳥やおでんを食べたりしていて。下町の子なので、食べながら歩いている感じで作りました」
梅沢は「素晴らしい俳句ですけど、最後の下五の"食ふ"が。"おでん"は食うものですから、いらないかな」と難癖をつけたが、俳人・夏井いつき先生の査定は「1ランク昇格」。梅沢が「違うんかい」と苦笑いする横で、森口は「うわー! うれしい!」と満面の笑みを浮かべた。
夏井先生は「道草を食うというのは元々、馬が道端の草を食べて進行が遅くなることです。ですから、"道草"という言葉を頭に持ってきて、食っているのが草ではなく"おでん"だということに機知、ウイットがある」と絶賛。「だから"食ふ"がいらないと言う人は、全くこの句のウイットが全然わかっていない! ここは外してはいけない大事なポイントなんです」と見当はずれな指摘をした梅沢をチクリ。
さらに、先生は「もう一つ大事なポイントは"砂町銀座"という固有名詞ですね。知っている人は下町の光景が浮かぶでしょうし。知らない人も"砂の町"という字面で興味を掻き立てられる。とてもいい固有名詞を持ってきたと思います」と高く評価し、「背伸びをしない形で俳句を書いている。このスタンスは絶対に変えない方がいい! お見事です。直しはいりません」と森口を褒めちぎった。
「なっちゃん愛してる!」永世名人に王手の梅沢富美男が大はしゃぎ
星5つ獲得で"永世名人"、しかし1文字でも添削があれば即"後退"となる「永世名人への道」。現在、星3つでトップに立つ梅沢は「あと2つですから。行っちゃいますよ!」と気合十分。「今回は俳句のタブーに挑戦させていただきました!」「名人になればなるほど、チャレンジ精神がないとダメなんです。この番組を引っ張っていけないんです!」と"ミスタープレバト"のプライドを懸けた渾身の一句を披露する。
<1つ前進 ☆3つ→☆4つ>
春近し鳩居堂二階句帳買ふ
梅沢富美男
銀座に店を構えるお香や和紙製品の老舗専門店・鳩居堂を詠んだ梅沢は「鳩居堂の2階に俳句の帳面が売っているんです。銀座に行ったら、そこで買い物をするんです。でも"鳩居堂二階"って中八なのでタブー。しかも『俳句の帳面は買うだろ、馬鹿野郎』って言われると思う。でも、わざと"買ふ"とした。これが名人の俳句です!」と自信満々に句の意図を説明。そして、「1つ前進」が告げられると、梅沢は「よっしゃー! なっちゃん(夏井先生)愛してる!」と大喜びでガッツポーズを決めた。
夏井先生は「俳句の定石として中七は極力8音や6音にしない。ここをどうするか」とやはり中八が評価のポイントだったことを明かし、「例えば"鳩居堂二階に句帳買う春よ"などとすれば、五七五に入れ込むことは可能なんです」と指摘。さらに"春近し"や"買ふ"で字数を削る選択もできたことも触れ、「作者にとって"春近し"という冬の季語が絶対に必要かどうか。でも春になったから買うのではなく、春が近づいてきて心が明るく華やぐ気分を言いたいに違いないから、これも否定してはいけない。"買ふ"を省略することもできるが、まだ使っていない句帳を手にして、春が来たらこの句帳に春の句を書き始めようという心の喜びが"買ふ"に出てくる。ですから、やっぱりこれも置いておきたい」と梅沢の判断を分析。
「そのうえで中八を許容している。でも、(鳩居堂の)"きゅ"とか"きょ"の拗音が入っているとリズムができて、中八が気にならなくなる。総合的に見て、おっちゃん(梅沢)の判断を良しとしました!」とタブーを打ち破って句を成立させたことを褒めたたえた。
"永世名人への道"で星4つに到達したのは梅沢が番組史上初めて。前人未到の快挙に、MCの浜田雅功も「これ誰もいないんじゃない?」とびっくり。"永世名人"に王手をかけた梅沢は「これがミスタープレバトですよ!」「私がいつもトップでいなければいけないんです!」と満面のドヤ顔を見せつけていた。
銀座育ちの市川猿之助が赤っ恥、劇的添削の夏井先生はお茶目にVサイン
ランキング戦には、市川猿之助、髙田万由子、山本未來に加え、初登場のすみれ、小園凌央が参戦。過去に"才能アリ"を2回獲得している猿之助は「銀座は子供のころから。生まれたのは築地。銀座は先祖が住んでたの」と銀座界隈で育ったことをアピールし、「普通に詠めば1位」と余裕しゃくしゃく。
まず"凡人3位"に山本、"才能アリ2位"にすみれ、"才能ナシ最下位"に小園がランクイン。猿之助と過去に"才能アリ"3回獲得の髙田という特待生候補同士の一騎打ちに。しかし、"才能アリ1位"に輝いたのは髙田。大口を叩きまくったあげく、まさかの"凡人4位"に終わった猿之助は赤っ恥をかいて「凡人じゃん! 一番嫌なとこね」と苦笑い。
<凡人4位>
青柳や背広仕立てて祖父の真似
市川猿之助
「銀座でブラブラしていたら、柳の通りに聞いたことがある洋服店があって、入ったらうちの祖父がそこで仕立てていたところで。(僕も背広を仕立てて)祖父を真似してみようかなと」
実体験を詠んだ猿之助の句を夏井先生は「書こうとしていることは悪くない」としながらも「散文的になっている感じなんです」と問題点を指摘。「"祖父の真似をしました"の後ろをちぎって、俳句の音数に放り込んだのが雑なんです。上からゆっくり読んでいくと、この"祖父"の位置が損しているんです。なぜかというと、目の前に"柳"があって、"背広"を"仕立て"たんだなと思ったら、いきなり"祖父"が出てくる。時間軸が巻き戻されて、なんで急に"祖父"が出てきたの? とドタバタ終わっている」
<添削後>
祖父を真似仕立てる背広柳の芽
先生は「"祖父"からやるだけでいいんです。"祖父の真似""背広仕立てる"これで上五、中七ができます。そして"青柳や"と強く言ってもいいのですが、"柳"だけでも春の季語なんですが、"柳の芽"という生き生きとした季語もあります。こうすると、祖父はダンディーで格好よく着こなしていた。それに比べると自分は、まだまだ柳の芽のような若い俺だけども...となります」と添削。
見事な劇的添削に名人・梅沢が「いい! なっちゃん、いい!」と思わず声を上げ、スタジオからも大きな拍手が巻き起こると、先生はお茶目にVサインを決めた。その一方で、猿之助は真顔で固まったままで、浜田が「えらい渋い顔してんな!」とツッコミを入れると、猿之助は「俺には自分を"柳の芽"に例える謙虚さはないなと思って」と告白。スタジオが爆笑に包まれた。
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さて、次回の俳句査定のお題は・・・
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