大阪・関西万博で『胎児に戻れる』カプセルが公開されます。
大阪・関西万博の開幕まで、残り3週間を切りました。博覧会協会が出展するパビリオン『フューチャーライフヴィレッジ』は、常設展示のほか、約70の企業や団体が入れ替わりで体験型の展示を行います。
そのなかでも一風変わったアート体験ができると聞き、記者が訪れたのは、京都大学。
(京都大学・防災研究所 土佐尚子特定教授)「お母さんのおなかにいた遠い昔に戻っていただいく」
見せてもらったのは黒いカプセル、『Zero Gravity Art』。メディアアーティストで、京都大学の特定教授、土佐尚子さんがTOPPANホールディングス、島津製作所と共同で研究を進めていて、お母さんのおなかの中にいた頃のような無重力空間を疑似体験できるといいます。
(記者リポート)「こちらはお母さんのおなかの中にいる赤ちゃんの画像です。26年前の私です。きょうはこのころに戻りたいと思います」
記者の頭につけられた専用の機械。これで脳の血流を測ります。さらに、ヘッドフォンをつけます。そしてカプセルに入ると…全面鏡張りの不思議な世界が。ヘッドフォンから聞こえてくるのはお母さんの心臓の鼓動や羊水の音だと言います。
(記者リポート)「すごい、お~。上に浮かぶような感じがします」
カプセル内に映し出される不思議な映像は、無重力の空間で、絵の具などに音の振動を与え、衝撃で飛び上がる様子をハイスピードカメラで撮影したものだといいます。
(記者リポート)「眠くなる。うわ~すごい、すごい浮遊感…浮いてる」
約5分間で胎児体験は終了。脳の反応はどうなっていたのでしょうか。
(土佐尚子特定教授)「これは非常におもしろい結果。非常にバランスよくいろんなデータが出ている。落ち着いてストレスのない状態から、(映像に)連動して、感動しているというか、前頭葉の血流がぐわっと流れて活動的になっている」
記者は胎児のころに戻れたのでしょうか?
(土佐尚子特定教授)「戻れたと思います。お母さんのおなかの中を、非常に心地よく過ごされたのではないかと思います」
5分間の非日常体験。開発に携わった土佐尚子特定教授の思いとは?
(土佐尚子特定教授)「(胎児体験という)未来の微小重力アートというものを体験してもらいたい。自分の脳が、こういう映像に対してこういう反応するんだってことがわかるということが非常に新しい体験だと思います」