大阪市内の公園で、多数の「くぎ」が地面の中から見つかりました。公園は小さな子どもたちがよく利用し、地域住民からは「危ない」などと不安の声が上がっていました。また、他県では小学生の男児が埋まっていたくぎに刺さり、大けがをする事態も起きています。MBSの取材で明らかになったこの問題、大阪市は市内にある公園を全て確認するという方針を示し、6日(きょう)その結果が出ました。異物は、数百個どころか、市内の公園から総計『3508個』見つかったということです。

きっかけは「160本のくぎ」

発端となったのは、大阪市中央区にある銅座公園。長さ15cmほどの金属や、五寸くぎと言えるほどの太いくぎが見つかり、そのほとんどが錆びていて、先端に土がまとわりついているものもありました。

「早くくぎを撤去してほしい」と、公園愛護会や幼稚園から市に再三要望し続けた結果、9月26日、公園事務所が大規模な調査に乗り出しました。その日は、新たにくぎなどが約90本見つかり、これまでと合わせて160本ほどが見つかったことになりました。

この点について公園事務所の担当者に聞くと、「市内のほかの公園ではくぎなどが大量に見つかった事例はない」とした上で、次のように話しました。

(大阪城公園事務所 板井正宏所長)「我々は普段から定期点検と日常巡視によってちゃんと表面の管理をしていますし、目視によって監視をしていますので、まずそれ(目視による監視)をきっちりやっていくということで安全確保をしていきたいと思っています。通報を受けた場合は、都度それに見合った対応をさせていただきたいと思っています」

しかし、取材班が銅座公園の近くにある4つの公園を調査してみると、中央区にある中大江公園では頭が地面から飛び出したくぎや、谷四錦郷公園ではヒモがついたくぎが目視で確認できました。公園事務所の職員が駆け付けて抜いてみると、30cmほどにもなる長いくぎが現れました。

まだまだ、奥が深そうなこの問題。MBSテレビが報じた翌日の10月10日に、大阪市の横山英幸市長は、市が管理する全ての公園を、一斉に点検する方針を明らかにしました。そして大阪市はきょう、公園別に確認された異物の数を明らかにしました。

「218の公園で、3508個の異物が確認された」

大阪市によりますと、点検対象は1010の公園で、そのうちの218の公園で、3508個のくぎやボルト、テントなどを止めるためのペグなどが確認されました。

管理する公園事務所ごとのうちわけをみると、最も多いのが、MBSが取材した大阪城公園事務所が管理する公園で「1098個」、次いて、長居公園事務所が管理する公園の「829個」、十三公園事務所の管理する公園「507個」の順でした。

また、公園ごとの異物数としては、浪速区日本橋公園で「198個」が最も多く、東成区神路公園の「195個」、住之江区南港中央公園の「134個」、西成区萩之茶屋南公園の「105個」の順に続きます。

大阪市によりますと、確認された異物は、地中に埋まっていたものが多く、中にはスポーツで公園を利用する際に、距離を測る目印のためにビニールヒモが結び付けられ、ヒモが地表に出ていたものもあるということです。

大阪市は、地表面に全て露出して、放置されている「くぎ」などについては、直ちに撤去したということです。