大阪府泉大津市にある会社では、調理から配膳までを全自動でロボットが行う社員食堂があるということです。その現場を取材しました。

大阪府泉大津市にあるロボットシステムやAI技術を手掛ける会社「HCI」。

その会社の社員食堂「HCIROBOHOUSE」で1月26日にデモンストレーションが行われました。
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社員食堂ではロボットが客席の間を縫うように動きテーブルに料理を運んでいきます。

調理ごとにロボットを分担

厨房にもシェフはいません。工場などで使われている産業ロボットなどにプログラミングをすることで、調理から配膳まで全て自動で行えるようにしたという「ロボット社員食堂」です。

厨房には、電子レンジでの調理を担当するロボットや湯せん調理の担当をするロボット、サラダやデザートを担当するロボットが置かれていて、注文されたメニューに合わせて動きだします。
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(HCIロボットプログラム担当 バースカルさん)
「ここにあるロボットはパンとごはんとパスタを冷凍状態から物を取りまして、電子レンジで温めまして配膳ロボットに乗せる」

ロボットに座席位置などをプログラムし配膳

調理が終わると次に、配膳を担当する別のロボットに料理などを託します。6台の配膳ロボットには、座席の位置があらかじめ登録されていて、天井のマーカーを目印に、注文した品を正確に運びます。
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(HCIロボットプログラム担当 バースカルさん)
「ロボットが天井にあるマーカーを目印として動いてます。マーカーを見てそれぞれの位置まで行きます。全てパソコンでプログラムされているので、どの位置まで呼び出されているかをプログラム上でやっています」

そして、おしぼりやお箸など、常に巡回するロボットが提供。欲しい時に持って来てくれる仕組みです。
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この日提供されたメニューは、ミートソースのパスタとサラダのセット。他にもカレーライスもありました。ロボットが行うことで、コロナ禍での感染リスクや人件費をおさえて提供することができるといいます。

「ロボットが調理するアミューズメントだけで終わらせない」

この「ロボット食堂」を作り出したHCIの奥山剛旭社長は次のように話しています。

 (HCI 奥山剛旭社長)
 「ロボットが調理するとかアミューズメントだけで終わるつもりはなくて、ロボットシステム、調理と配膳の全部を合わせた箱で売りたいと思っている」

大阪の中小企業発、新しい食堂の形が未来を変えるのかもしれません。