徳島ならでは!?徳島県の一部の県立高校で来年の春から実技検査で合格できる新しい入試枠組みが導入されます。その実技がなんと『阿波おどり』です。

 400年もの歴史があるとされる徳島県の阿波おどり。毎年8月に行われる徳島市の阿波おどりは、コロナ前では国内や海外から100万人を超える観光客がやってきていた、県を代表する伝統文化です。

 しかし、課題となっているのが『後継者の育成』です。

 (徳島県教育委員会 グローバル・文化創造幹 寺澤昌子さん)
 「徳島県の伝統文化をずっとこれから続けていくこと、それには後継者の育成というのがとても大切だと思います」

 そこで県の教育委員会が目を付けたのが高校入試です。阿波おどりの部活がある徳島商業高校など3つの県立高校で、来年春から阿波おどりの実技検査などで合否を判定する新たな入試枠組みを導入することにしたのです。

 高校に入りやすくなるのかというと、そう簡単ではありません。取材班は、徳島市内で年間を通して阿波おどりを楽しめる観光施設「阿波おどり会館」を訪れました。

 「動きとしては『なんば』という動きになります。同じ方の手足を同時に前に出す動作ですね。右足が前に出ると必ず右手、左足が前に出れば左手」

 踊りの基本は、2拍子のリズムに合わせて同じ側の手足を同時に出す動作なのですが、記者が実際にやってみると…。

 (記者)
 「動きはシンプルなのですが、リズムをとり続けるのがとても難しいです」

 また、腰を低く落としてダイナミックに動き回る「男踊り」に、腕を高く上げて身体をしならせて踊る「女踊り」。そのそれぞれに流派によって違う型があります。

 長年、阿波おどりの公演を続けている人も次のように話します。

 (阿波おどり会館専属連 堀内直人連長)
 「(Qきれいに踊るための練習は?)まあ厳しいですよね。不器用な人もいるし、なんぼやってもうまくならない形にならない人もいるのでね。中学の3年間、阿波おどりを真面目にやるのは大変なことなんですよね」

 この「阿波おどり入試」の定員は3つの高校で3人ずつの計9人。実技検査は学校によって異なり、阿波おどりや鳴り物のほか反復横跳びをテストする学校もあるということです。

 (徳島県教育委員会 グローバル・文化創造幹 寺澤昌子さん)
 「(徳島県では)小さな子どもから中高生まで阿波おどりを課外活動にしている人はたくさんいると思います。中学生まで頑張ってきたことが評価される、自分の将来が広がるチャンスになるというふうに捉えてほしいなと思っています」