自民党が旧統一教会との関係について点検結果を公表しました。しかし実態が反映されているのか疑問の声もあがっています。
(自民党 茂木敏充幹事長 9月8日)
「結果を重く受け止めています。率直に反省し、今後は旧統一教会と一切関係を持たないことを党内に徹底していきます」
9月8日、自民党の茂木敏充幹事長は旧統一教会との関係についての“点検”結果を公表し、党所属の全国会議員379人のうち179人に接点があったと明らかにしました。
(自民党 茂木敏充幹事長)
「党としての関係はない。そういった団体である関連団体であるという認識がなかったという人が大半と申し上げましたが、大体9割近くがそのような状態でありました」
寄付や選挙支援など比較的関係が深い121人については名前も公表しました。
一方で実態が反映されているのか、疑問の声があがっています。2017年5月の「母の日」、自民党の山本朋広元防衛副大臣は韓鶴子総裁本人が出席していた旧統一教会主催と思わしきイベントに出席していましたが、点検結果では旧統一教会「関連団体」の会合への出席あり、となっています。
(自民党 山本朋広元防衛副大臣の音声より)
「本日は母の日ということで、私も皆さまより一足お先にマザームーンに先程、カーネーションの花束をプレゼントさせていただきました」
また点検項目の中には、選挙への支援を巡って「ボランティア支援」と、より関係の深い「組織的支援や動員などの受け入れ」という項目があります。教団側の「ボランティア支援」を受けたと申告した議員の1人、安倍派の北村経夫参院議員。
(自民党 北村経夫参院議員 9月8日)
「私とすればこちらから支援を要請したということではなく、個人としての支援をいただいたと受け止めております」
しかし、2013年の参院選をめぐる旧統一教会の内部文書からは、組織的な支援を受けていた可能性がうかがえます。
【旧統一教会の内部文書の内容】
『首相からじきじきに、この方を応援してほしいとの依頼があり、今選挙で北村候補を当選させることができるかどうか、組織の死活問題です』
教団が名称を変更した当時の文部科学大臣だった下村博文氏。点検結果では「寄付」の項目にしか名前はありません。
去年10月の下村氏の国政報告会で撮られた写真で下村氏が掲げているのは、旧統一教会関連団体からの推薦状とみられます。これは選挙の支援を受けていたということではないのでしょうか?
これについてJNNが下村氏側に質問すると、「推薦状については会場で突然渡されました。当該関連団体に対して支援や推薦の依頼をしたこともありません」と回答しています。
自己申告のみで第三者が関わらなかった今回の点検結果。点検は十分だったのか?岸田文雄総理は次のように述べました。
(岸田文雄総理大臣 9月8日)
「事柄の性質上、それぞれの議員の点検を基盤としなければいけない。他党も全く同じ手法で、この全体の把握をしている」