9月27日、日本武道館で安倍晋三元総理の国葬が執り行われました。葬儀委員長の岸田文雄総理、そして友人代表の菅義偉前総理は追悼の辞で何を語ったのでしょうか。

 9月27日午後2時に始まった安倍晋三元総理の国葬。妻・昭恵さんに抱かれて日本武道館に到着した遺骨が、安倍元総理が愛したという富士山をモチーフにした式壇に安置されました。遺骨の横には本人が着用していた議員バッジと共に、拉致被害者救出の思いを表すブルーリボンバッジが飾られました。

 1分間の黙とうの後、会場に流れたのは安倍元総理が生前に披露したピアノの演奏です。その音色と共に生前の活動を振り返る映像が上映されました。
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 (追悼の辞を述べる葬儀委員長・岸田文雄総理)
 「29年前、第四十回衆議院議員総選挙にあなたとわたくしは初めて当選し、共に政治の世界へ飛び込みました。わたしたち世代の旗手として、当時あなたが戦後置き去りにされた国家の根幹的な課題に次々とチャレンジされるのを期待と興奮をもって眺めたことを、いま思い起こしております。あなたはわが国憲政史上最も長く政権にありましたが、歴史はその長さよりも達成した事績によってあなたを記憶することでしょう」
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 友人代表として登壇した菅義偉前総理は、追悼の辞の冒頭に“あの日”のことを振り返りました。

 (追悼の辞を述べる友人代表・菅義偉前総理)
 「7月の8日でした。信じられない一報を耳にし、とにかく一命をとりとめてほしい、あなたにお目にかかりたい、同じ空間で同じ空気を共にしたい。その一心で現地に向かい、そして、あなたならではのあたたかなほほえみに、最後の一瞬、接することができました。あの運命の日から80日が経ってしまいました。哀しみと怒りを交互に感じながら、きょうのこの日を迎えました」

 また、官房長官として安倍政権を支えた日々について次のように話しました。

 (追悼の辞を述べる友人代表・菅義偉前総理)
 「総理が官邸にいるときは欠かさず1日に1度、気兼ねのない話をしました。総理大臣官邸で共に過ごし、あらゆる苦楽を共にした7年8か月、私は本当に幸せでした。総理、本当にありがとうございました。どうか安らかにお休みください」