世界にはレズビアンであることで迫害を受ける国があります。その国から逃れて3年前に来日した女性が、4月19日に難民認定されました。

難民認定と5年間の在留資格を得たウガンダ人女性

 アフリカ東部・ウガンダ出身の女性(30代)。来日して3年、4月19日にようやく難民認定と5年間の在留資格を得ました。これで日本で仕事に就くこともできるようになります。

 (難民認定されたウガンダ人女性 4月19日)
 「(Q今の気持ちは?)すごく気分がいいです」

 料理が得意だという女性。取材した日は支援者らにパスタとカレーを振る舞います。パスタを半分に折って鍋に入れるのがウガンダ流です。隠し味は“感謝の気持ち”。1時間ほどで約10人前の料理を仕上げました。

 (ウガンダ人女性)
 「私は料理が大好きです。お母さんがよく私に教えてくれたものです」

LGBTだけで10年以上の禁固刑「反同性愛法」が成立

 女性がなぜアフリカのウガンダから遠く離れた日本へとやってきたのか。そこには悲惨な過去がありました。

 女性はレズビアンであることを理由にウガンダで警察に拘束され、約3か月間、拷問を受けるなどしました。同性愛を悪い慣習ととらえるウガンダでは3月に議会で「反同性愛法」が可決・成立し、LGBTであるだけで10年以上の禁錮刑が科されるおそれがあるといいます。

 (ウガンダ人女性)
 「帰国するのにとても恐怖を感じています」

 ウガンダにはいられないと感じた女性は3年前に来日してすぐに難民申請をしたものの、退けられたため裁判所へ提訴。今年3月、大阪地裁は「女性は帰国すれば迫害を受けるおそれがある」として、国に対して女性を難民と認めるよう命じる全国初の判決を言い渡して確定。入管が難民と認めるかどうか再び審査をしていました。

 支援者らは彼女の思いをこう話します。

 (支援者)
 「裁判の前は特に心配で。彼女は寝られなかったんですって、それまでずっと夜も。それが判決で楽になって」
 「生活の苦しさを分かってほしいですね、お役人に。どれだけ死にそうになっているか。死と直面しながら生きているわけですよ、なんとかね」

全国初の司法判断からわずか1か月のスピード認定

 日本で難民と認めてほしい。その思いが叶う日が間近に迫った4月18日、女性は生まれて初めて、証明写真機で在留カードのための写真を撮りました。

 こうして迎えた女性への難民認定。全国初の司法判断からわずか1か月で難民と認められるという異例の展開となりました。

 (ウガンダ人女性)
 「支えてくれた人、全員にありがとうと言いたいです。日本では高齢者の方の世話をする仕事がしたいです」

 女性の難民認定で一件落着と捉えてよいのか、日本におけるLGBTや難民問題への理解が問われています。