財政難が続く京都市が約159億円かけて改修した市役所本庁舎。“豪華さ”が議論を呼んだお茶室などが、6月20日に初めて一般公開されました。
2021年に改修工事を終え、リニューアルした京都市役所本庁舎。6月20日、市議会の議場などが一般に公開され、多くの人が集まりました。
議場内部は、旧議場から約100年使用されたステンドグラスの光が天井から差し込みます。飾られた歴代議長の顔写真は“金色の額縁”に入れられ、壁面も壁紙ではなく織物を直接壁に張る「緞子(どんす)張り」という伝統工法が用いられるなど、豪華で重厚な雰囲気となっています。
一般公開に訪れた人からは、次のような声が聞かれました。
「初めて入りました。なかなか立派に改装されている」
「色合いも落ち着いた感じで華やかさがある。もっと陰気臭いと思っていた、正直、こういう建物って」
「お金かかってるなっていう印象でした」
京都市といえば、2021年度、実質約8419億円の借金を抱え、破綻を意味する「財政再生団体」に転落する危機に直面。地下鉄や市バスの敬老パスの対象年齢の引き上げや動物園などの公共施設の料金値上げなど、財政再建に向けた改革を進めてきました。
去年、当初の計画より約450億円、収支が改善したとして財政再生団体への転落の危機は回避できたとしましたが、依然として赤字は続き、実質8000億円以上の借金は残ったままです。その一方で、4年かけて行われた市役所本庁舎の耐震改修工事には約159億円もの費用がかけられました。
159億円の中にはこんなものも。
(清水麻椰アナウンサーリポート)
「市役所1階のエレベーターです。扉になんともきらびやかな絵柄が描かれているのですが、実は漆塗りなんです」
「千年の光」と名付けられたエレベーター扉。歴史都市・京都にふさわしい日本の伝統文化が感じられるようにと、扉を漆塗りで蒔絵を施したものに取り換えました。費用は2基で約500万円。
(訪れた人)
「すごいな、きれい。(Q扉だけに500万円かかっているが?)えっ?そうなの?税金で?」
さらに、約3600万円をかけてつくられた和室にはお茶用の設備もあり、茶室としても使えるということです。ただ、これまで茶室としての利用は一度もなかったということです。