ヘルパンギーナやRSウイルスなど子どもの夏かぜが流行する中、子ども用の薬が不足しているといいます。一体どういう状況なのか、薬局で話を聞きました。

 この夏、子どもたちに忍び寄る感染症。大阪市北区で子どもを連れた街の人に話を聞きました。

 (街の人)
 「保育園では夏かぜが流行っているって、先月くらいかな、ヘルパンギーナ。保育園の先生もやっぱり夏かぜが出ているから気を付けてねという話はしていますね」
 「RSウイルスとかヘルパンギーナとか周りで多いですね、最近。甥っ子が入院したりして」

 夏かぜが流行しています。神奈川県川崎市にある小児科では、ヘルパンギーナやRSウイルスの患者でいっぱいに。7月3日~9日のヘルパンギーナの患者報告数は、岩手・山形・福島・埼玉・千葉・群馬・長野・石川・福井・鳥取・島根の11県で今年最多を更新しました。

 さらに今、熱やせきを訴える患者にとって、緊急事態となっています。薬が不足しているというのです。

 (多摩ファミリークリニック 宮本雄策医師)
 「薬局からの連絡ではせき止めの薬が足りないとか解熱鎮痛剤が不足しているとか」

 関西も例外ではありません。兵庫県尼崎市の調剤薬局「フルール薬局尼崎店」を訪ねてみました。

 (フルール薬局尼崎店 平石稜人管理薬剤師)
 「今、特に入りにくい薬と言ったら、抗生剤とかせき止め・たん切り、かぜに使うような薬が不足してきているような状況ですね」

 抗生剤や解熱剤、せき止めなどの需要が急激に増える一方で、思うように入荷できない状態になっているといいます。

 (フルール薬局尼崎店 平石稜人管理薬剤師)
 「カルボシステイン(シロップ)はたん切りのお薬なので、お子さんが鼻が詰まったとか、そういう症状がある時によく使われるお薬です。こういった薬が薬局さんによっては『もう明日の分も足りないです』といった状況になってきていると」

 発注しても納期は未定。何とかかき集めたストックも、残りは1人~2人分とまさにギリギリの状況です。

 (フルール薬局尼崎店 平石稜人管理薬剤師)
 「何とか患者さんにお薬が渡せるようには頑張っているんですけれども、ただそろそろ我々個々の薬局の努力とか病院さん・クリニックさんの努力ではちょっと薬の確保が難しくなってきているように思いますね」

 製薬会社の「ヴィアトリス製薬」では、「予想を大きく上回る感染症の流行」のため、今年6月から一部製品の出荷を制限。「大正製薬」では、解熱剤の出荷が最近伸びてきていることから、子どもに限らず大人も薬が足りなくなる可能性もある、としています。

 (街の人)
 「弟の子どもがこの前、熱が出た時に(大人と一緒の)粉薬が出たって言ってました。それを溶かして飲ませてって。シロップじゃなくて」
 「私も粉薬とかあんまり好きじゃないので余計飲ませるのが難しいですね」

 今不足しているのは子ども用の薬ですが、この状況は一体いつまで続くのでしょうか。