「日本一楽しいヤッホーポイント」と呼ばれるダム湖の湖畔にあるきれいに山びこが返ってくる場所。どんな人たちが訪れて、何を叫ぶのか、なぜ叫ぶのか、ある一日を取材しました。
日本一の「ヤッホースポット」…朝から子どもたちが叫びまくる!
和歌山県日高川町は面積の約9割が山林という自然豊かな町です。椿山ダム湖にかかる吊り橋を渡り、階段を登り、歩くこと5分。そこに、本来は高い山頂で楽しめるきれいな山びこを体験できる場所があります。どうやらここは「ヤッホー日本一」だそうです。
(日高川町役場・企画政策課 井原優作課長補佐)「ここがヤッホーポイント。ここのサークルに入って、真正面ですね、あの山に向かって2秒以内に叫んだ言葉が、そのままガツンと跳ね返ってくると。叫んでも周りに民家がないということで、日本一楽しいヤッホーポイント」
午前9時、カメラやマイクをスタンバイして30分。この時間、ヤッホーポイントを訪れる人はまだいません。この日も朝から暑く、気温はすでに30℃に…。この後も暑くなる中、ヤッホーする人たちは来るのでしょうか。
午前10時40分、待ちに待った第1ヤッホー人。夏休み中の子どもたち3人組です。
「ここやんな?ヤッホー!」(ヤッホー!)
「ほら!すごい!」
「校区でイチバン声でかいから。ヤッホーー!」(ヤッホーー!)
「ヤッホー!」(ヤッホー!)
「めっちゃストレス解消できました!楽しいです」
和歌山市から来た姉妹とその友達。おじいちゃんとおばあちゃんに連れてきてもらったんだそうです。ヤッホーを満喫した後はこんな遊び方も!
「ある日♪」(ある日♪)
「森の中♪」(森の中♪)
「クマさんに♪」(クマさんに♪)
「出会った♪」(出会った♪)
山びこっていろいろな楽しみ方ができるんですね。この後も夏休みを満喫してね!
地元仲間12人で『ヤッホー!!!!』…暑い夏の中で青春を満喫
正午、吊り橋にやってきたのは大阪・熊取町からやって来た20歳の4人組。
「これヤバない?スマホ多分落ちるで」
「怖い。真ん中しか歩かれへん」
「どこらへんでヤッホーとか言うの?」
「あっちにあんねん、ヤッホーポイント。僕だけ1回行ったことがあって」
しかし、待ちきれずに橋の上で…。
「ヤッホー!」(…)
「あぁ、返ってこない。やっぱあっちじゃないと。あっちはやっぱりすごく返ってくるんですよ」
ようやくポイントに到着。では日本一のヤッホーをご堪能ください。
「ヤッホー!」(ヤッホー!)
「ヤッホー!」(ヤッホー!)
こちらの男性は思いのたけを!
「足伸ばしたい!」(足伸ばしたい!)
「足が短いことがばれるね」
「ばれるね」
1泊2日で白浜へ行く途中、ここに立ち寄ったのだとか。実は4人だけではなく地元仲間全員で12人!みんな揃ったところで…。
「いっせーのーで、ヤッホー!!!!」(ヤッホー!!!!)
「(Qヤッホーの感想は?)暑い…」
「大学とかで(全員が)いろんなところに点々としているのに、(地元仲間で)こうやって集まれることってめっちゃいいこと」
この後は夕景の白浜を満喫したんだそうです。友達といつまでも仲良くね!
遠距離になる前に思い出を…大学生カップルの特別な夏
午後2時、33℃とこの日一番暑い中、大学生カップルがやってきました。
「暑いわ!!」(暑いわ!!)
「ちゃんと返ってきた!」
「せーの、ヤッホー!!」(ヤッホー!!)
「すごい!めっちゃきれいに返ってくる。こんな山びこ初めて」
(Qヤッホーって言うのはいつぶり?)
「小学生ぶりですね」
学生最後の夏に2泊3日の和歌山旅行を楽しんでいる2人。2人にとって実は特別な夏。
(Q就職は?)
「もう決まっています」
「離れ離れになるかも」
「遠距離はほぼ確定よな」
「たぶん、そうですね」
遠距離になる前、2人の時間を思い切り過ごすための和歌山旅行。翌日のラフティング体験も偶然貸し切りの状態で楽しい時を過ごせたんだそうです。2人にとって忘れられない思い出になったかな。
『ゲーム!』欲しいものを叫ぶ子ども
「せーのーで、ヤッホー!」(ヤッホー!)
「ここまで登ったのは初めてやな?」
「何年か前に来た時には吊り橋を渡っただけで」
「ビックリした。こんなに返ってくると思わへんかった」
夏休み、目立つのは親子連れの姿。中には欲しいものを叫ぶ子も。
(子ども)「ゲーム!」(ゲーム!)
(Q買ってもらえるかな?)
(子ども)「わかんない…」
(Q宿題の頑張り次第?)
(母親)「頑張りによる」
(子ども)「でももう宿題終わるもん!あと17ページ」
実はテニスに夢中で宿題が終わらず、お母さん曰く「願いが叶うのはまだ先」だそうです。
山びこを楽しみ滝も楽しむ…自然が大好きな3人組
午後3時45分、車で隣の御坊市から来たという学生3人組。
「滝見たい!」(滝見たい!)
「返ってきたよ!」
自然が大好きな3人。きれいな水の滝を見に行くはずが、工事中で辿り着けなかったそうです。
「どこか他に滝ないんですか?」
暑いこともあり何としても滝が見たい3人。居合わせた町役場の人に話を聞くと…。
「『万歳の滝』っていうのもある」
「万歳の滝…行きたい行きたい!」
3人はこの後、万歳の滝に無事到着。水も滴る…というより、びっしょびしょになって滝を楽しんだみたい!
午後4時半、ヤッホーポイントを訪れる人はもうほとんどいません。この日の取材最後のヤッホーが山に響きます。
「せーのーで、ヤッホー!!!」(ヤッホー!!!)
「すごいな…」
この日は8時間で52人が訪れました。明日は和歌山の山々にどんなヤッホーが響くのでしょうか。