五分五分の展開となっている日本シリーズ“関西ダービー”。待ちに待った試合をオリックスファン&阪神ファンはどう見ているのでしょうか?第2戦が行われた10月29日、それぞれのチームの熱血ファンが集まる店を訪れ、テレビで試合を見守る様子を調査しました。

店主はどちらも筋金入りのファン!店内にはグッズがずらり

 大阪・天満にある「野球酒場 酔勝家」。店主の中村豊和さんが開店前の準備をしています。
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 中村さんは筋金入りのオリックスファンで、近鉄時代を含めるとファン歴は40年以上。店内にはたくさんのグッズが置かれていますが…。

 (中村豊和さん)「これはお客さんが缶バッチを持ってきてくれた。オープンした時はほとんどグッズがない状態からスタートして、お客さんがオリックスファンのお店っぽくないよなみたいな感じで、良かったらこれ飾ってと持ってきてくれました。うちの店のグッズの9割がお客さんからのものです」
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 中には、今年パ・リーグで首位打者を獲得した頓宮裕真選手やこの日先発の宮城大弥投手の貴重なサイン入りユニフォームも飾られています。
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 (中村豊和さん)「オリックスファンってなかなか日常でね…いまだとちょっと人気が出始めていますけど、日常で出会うことってほぼほぼないんですよね。だからこういう場所を作りたかった」

 今年でオープン3年目。試合がある日はいつも多くのオリックスファンで席が埋まり、みんなで試合を見守ります。

 (中村豊和さん)「きょう勝たないと。第3戦は甲子園行きますから。なんとか五分でいってほしいです」

 一方、大阪市都島区にある「阪神タイガースを応援する店 桃虎」。慣れた手つきでたこ焼きを焼いているのは、看板娘にして店主の桃ちゃん。阪神ファン歴はなんと55年!
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 こちらも店内はタイガース一色です。
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 (桃ちゃん)「(Q店内のグッズで一番すごいものは?)すごいのは金本知憲元監督から来た電報とか。(Qなんて書いてある?)頑張ってくださいみたいな。あれが金本さんの手袋。金本さんの後輩が友達なので。まだまだいっぱいあって倉庫を借りています。オリックスには負けません、勝ちたいです」

それぞれの店のファン層を比較!

 試合開始時刻が近づくにつれ、どちらの店も続々と人が集まってきました。オリックスファンの平均年齢は32.6歳、男女比は1:2。阪神ファンは平均年齢が48.8歳、男女比は3:4。試合前、対戦相手について聞いてみました。

 (オリックスファン)「勢いがやばい。何か負ける気がしないというか、阪神が」

 阪神の勢いを心配するオリックスファンに対して…。

 (阪神ファン)「(Qオリックスの印象は?)阪神は固定メンバーで組んでいるけど中嶋(聡)監督のやり方はどんどん新しい選手を変えて、ケガ人とかも多い中やっているのが全然違うかなと」

 阪神ファンはオリックス中嶋監督の采配に注目している模様。
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 中にはこんな阪神ファンもいました。

 (阪神ファン)「オリックスのユニフォームは能見です。能見さんが行ってからオリックスを見るようになったので」

相手チームの“うらやましいところ”は?

 午後6時半、プレイボール。オリックスの先発は宮城投手。初回、1本のヒットを許しますが、危なげなく無失点で抑えます。

 (オリックスファン)「大丈夫でしょう。ヒットは打たれたけど。完全試合すると思ってたんやけど(笑)。大丈夫です」
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 一方そのウラ、阪神先発の西勇輝投手も負けていません!こちらも得点圏にランナーを許さず無失点。

 (阪神ファン)「よっしゃ!うちの西投手は最高や」

 2回も両チーム3者凡退で倒れるなど一歩も譲らない展開に。

 (オリックスファン)「(Q阪神と比較されることもある?)率直に言うとうらやましいです。オリックスが勝って阪神が勝っても翌日のスポーツ新聞はほぼほぼ阪神なので、それは悲しいですけど」

 (阪神ファン)「うらやましいのは男前が多い。山本(由伸)が好きです」

交互に繰り広げられる一喜一憂

 試合が動いたのは3回ウラ。オリックスの9番・廣岡大志選手が出塁し、ランナー2塁でバッターは西野真弘選手。タイムリースリーベースを放ち、オリックスが先制!念願の先制点に歓喜に沸くオリックスファン。
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 続く阪神も4回オモテ、大山悠輔選手、佐藤輝明選手と連打で出塁。初めて得点圏にランナーを進めると、阪神ファンのボルテージは急上昇!

 (阪神ファン)「打ったやん、ゆうすけ~」

 絶好のチャンスでバッターはノイジー選手。しかし、ここは空振り三振。ピンチを切り抜け宮城投手はガッツポーズ。

 (オリックスファン)「よっしゃ~!」

 (阪神ファン)「うわ~めっちゃガッツポーズされた」

 その勢いのまま続く4回ウラには、オリックス打線が爆発。3連打でなんとこの回3得点!元オリックス西投手はあえなくノックアウトに。

 (オリックスファン)「西はオリックスにいたので恩返ししてもらった」
 (オリックスファン)「ええやつやな、西」

“中嶋采配”的中で貴重な追加点!一方で阪神ファン「ぼろぼろやん…」

 さらに7回、またしてもビッグチャンスがオリックスに。2アウト満塁の場面で中嶋監督が動きます。代打に起用したのは、シーズン打率2割1分台のゴンザレス選手。ズバリ“中嶋采配”が的中!走者一掃のタイムリーツーベースを放ちます。阪神にとどめを刺す貴重な貴重な追加点!喜びのあまり泣き出すファンも。

 (オリックスファン)「球場に6回見に行って、1回もゴンザレスは打ったことなかった」

 危なげない試合運びに、この日のオリックスファンは終始ご満悦。お酒もどんどん進みます。
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 一方…すっかり意気消沈し、うなだれる阪神ファン。

 (阪神ファン)「ぼろぼろやん。草野球みたい」

結果はオリックスが快勝!「あしたのスポーツ新聞オリックス載せてくださいね」

 その後もオリックスが1点を追加し、迎えた9回オモテ、ゲームセットまで残り1アウト。歓喜の瞬間をみんなで待ちます。そして、大山選手をピッチャーゴロに抑えてゲームセット。

 (オリックスファンたち)「いえ~い!よっしゃ~!」
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 (阪神ファンたち)「あ~…あさって頑張ろう、勝とう!」

 第2戦はオリックスが8対0で快勝。これで1勝同士のイーブンに戻しました。

 (オリックスファン)「勝ちました!最高です!」
 (オリックスファン)「あしたのスポーツ新聞どうなってるんかなと思います。オリックス載せてくださいね。阪神とかやめてくださいね」