大勢の外国人観光客で混雑する京都。神社や寺では、外国人の参拝者向けの取り組みが増えています。

「ナショナルジオグラフィックみたい」4か国語に対応の音声ガイドを用意

 京都市伏見区にある伏見稲荷大社。連日、大勢の外国人観光客が押し寄せます。
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 (2人組の外国人観光客)「(Qどうやって伏見稲荷大社を知った?)SNSなんかでも人気だよ。鳥居が無数にあって。色もいいよね。感動的。森の雰囲気も含めてすごく良い」

 とはいえ、ここは神様が祀られる神聖な場所。外国人観光客に正しく参拝してもらえるよう様々な取り組みを行っています。

 いくつもの言語で表記された看板やパンフレットのほか、境内にはWi-Fi設備を完備。

 4か国語(日本語・英語・中国語・韓国語)に対応した音声ガイドも用意されていて、様々な場所で詳しい説明を聞くことができます。

 (音声ガイド※英語Ver.)「The word “thousand” is used to represent “many” and all of the torii here are donations from worshippers from all over the country.(千本鳥居の千本とは沢山あるという意味で、これだけ多くの数の鳥居は全て全国の崇敬者によって奉納されたもの)」

 この音声ガイドについて外国人観光客は…

 「すごく良い声だね。ナショナルジオグラフィックみたいだ」

 「すごく良いね。良い体験ができそう」
 「僕はこんなふうにうまく説明できないよ」
 「このガイドでもう1回行く?」

寺を訪れる外国人も激増「別の宗教の文化に触れるのは良いこと」

 一方、京都駅から徒歩7分の東本願寺では…
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 (東本願寺 中川正見さん)「こちらがQR決済ができる案内看板です。現金を使うことなくお賽銭ができます」

 外国人からの要望が非常に多いということで、QRコード決済によりキャッシュレスでお賽銭をお供えできる仕組みを取り入れているのです。

 (東本願寺 中川正見さん)「海外の方が最近、コロナ明けということもあって大変増えてきておりますので、キャッシュレス対応できるということは大きなメリットではないかと思います」
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 お寺にやってくる外国人の目的は観光。仏教徒以外の観光客も多いのですが、仏教についてどれくらい知識があるのでしょうか?聞いてみると…

 「仏教については全く知らないけど、ここがとても安らかで落ち着いていて文化的な場所だということはよくわかる。みなさんがお祈りしているところを見て、そういうことを感じた」
 「別の宗教の文化や信仰に触れるのはとても良いことだと思う。(Q仏教の教えなどは知ってる?)実際のところよく知らないなぁ」

境内に“注意書き”を掲示するも…

 境内には仏教を正しく理解したうえで参拝してもらえるよういくつも注意書きがあります。ところが…

 (東本願寺 中川正見さん)「きのうもおられたんですけど、ご夫婦で来られた外国の方が、旦那さんが靴のまま堂内へ入ってこられまして、(堂内へ)下足で上がられたりキャリーバッグを持ち込まれたり。英語ができる職員が少ないということで十分な対応ができていないのが実情ですね」

 本来は宗教施設であるお寺が観光地化していることについて、担当者は次のように話します。

 (東本願寺 中川正見さん)「足を運んで来ていただいているというのは1つの大きな起点ですので、ここをいかにうまく宗教理解につなげていけるかということが今後こちらが考えて対応していかないといけない」