日本大学アメリカンフットボール部の薬物問題をめぐり、12月4日に日大の林真理子理事長らが記者会見を行いました。

4か月ぶりに会見の林真理子理事長「改革を成し遂げる責務を全うしたい」

 (日本大学 林真理子理事長)「違法薬物をめぐって逮捕・起訴されたこと、また、大学としての一連の対応の混乱により大変なご心配とご迷惑をおかけしましたことを改めて深くお詫び申し上げます」

 最大の注目であるアメフト部の存続については理事会で継続審議中だということです。廃部方針が打ち出された理由についても初めて明かされました。

 (再発防止策検討委員会 益子俊志委員長)「アメフト部の単独寮で集団的・常習的ではないかと疑われる犯罪ではないかという結論になりました。全員が知らなかったのではなく、知っている学生もいたんだろうなという感触はあります」

 アメフト部員への対応を問われると、林理事長は次のように回答しました。

 (林真理子理事長)「(Q学生への廃部連絡がメールで伝えられたことについては?)何もヒアリングがないということはございません。何度も何度もヒアリングを重ねていますし、私どもは各学生がどういうことを書いてどう思っているかという感想文も受領しております。(Q現段階での廃部・存続についてどんな意見?)申し訳ございませんがまだ継続審議中ですので、ちょっと私の考えはご容赦いただきたいと思います。申し訳ございません」

 仮に廃部となった際の対応については…。

 (益子俊志委員長)「アメフトをやるフィールドがなくなるということですけれども、今在学しているアメフト部の学生にとってアメフトが生きがいというのもありますけど、そこはやはり学部・学生として、しっかり勉強する環境は残りますし、もちろん日大アメフト部が万が一消えたとしても、外部のクラブチームでやるとか、同好会でやるとかというところは決して我々は妨げるつもりはありません」

 結論を出す時期について問われると、林理事長は「出来るだけ早いうちにと思っていますが、時期はまだ決まっておりません」と回答しました。

 理事会では、廃部以外にも、全部員を退部させてその後に1人ずつ確認して再入部させる案や、競技スポーツ部から格下げしてチームは存続させる案などがあがっているということです。また今後は「競技スポーツセンター」を新設し、競技部に目が行き届くよう体制を見直すとしました。

 会見では、日大幹部の処分について、林理事長は半年間50%の減給、酒井学長は年度末で辞任、沢田副学長は年内で辞任することも明らかにしました。林理事長は進退について…。

 (林真理子理事長)「(Q辞任を考えたことは?)それは何度か考えたこともありますが、まだ改革は途中である。より一層、気を引き締めて改革を成し遂げる責務を全うしてまいりたいと思っております。(Q改革は何合目?)(富士山の)何合目というよりも(ふもとの)富士吉田の駅に着いたというところだと思っております。まだバスにも乗っていない」

 約4か月ぶりの林理事長の会見。学内からの注目も高く、学生新聞「日本大学新聞」の記者も参加して質問しました。

 (日本大学新聞の記者)「日大新聞の大久保と申します。アメフトの薬物問題以外で、日大の体制とかいろいろな問題が出てきて正直、一学生としてあきれる気持ちでいっぱいなんですけれども、この問題の解決の糸口はどこだとお考えでしょうか。我々学生の就活への影響が一切ないようにしたいとおっしゃっていましたが、実際にどのように影響がないようにしたいとお考えですか」

 (林真理子理事長)「就活に影響がないというようなことは、早くこの問題が終わるということが私は一番に大切なことだと思っております。本当に学生には申し訳ない。私もアメフト問題がこのように広がっていって、このようないろんな案件を引き起こすとはまったく思っておりませんでした」

会見を見た現役部員の胸中は…

 一方、会見を見た日本大学4年の現役アメフト部員は、このように思いを訴えました。

 (日大アメフト部4年生)「タイミングとしては僕らに1回説明してからこういう会見を開いてほしかったなというのはあります。今まで先輩から受け継いできたバトンをこのような形で終わらせてしまうのは本当に嫌なので、何とか廃部だけはしないでいただきたいと思っています」

 別の現役部員も…。

 (日大アメフト部員)「とりあえずまだ廃部とはなっていないので、それは少し安心しています。少しでも自分たちにできることがあればしようと思っていて、(存続の)署名活動とかできることはしていました」

 そもそも部員たちが廃部の動きについて知らされたのは11月28日。突然、監督から送られてきたメッセージでした。それから1週間、部員たちへの説明はいまだありません。

 (日大アメフト部4年生)「こういう状況で引退しなければならないのは、本当に最後の試合ができなくて悔しいですし、今まで応援してくださった皆さんにも本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」

 別の現役部員はこう話しました。

 (日大アメフト部員)「相手が同好会などでやっているチームと試合をやってしまうと、アメリカンフットボールってとても危険なスポーツなので、大けがを相手がしてしまったり勝負にならなかったりすることもあるので、同好会とかサークルになってしまうのであれば日本一を目指せなくなって、そういう形になるのであれば廃部と一緒だなと思います」