11月からローソンで販売されている「味のしない?ガム」。2022年10月に発売された「味のしない?飴」に続くシリーズ第2弾として、発売以来話題となっているそうです。SNSでは「虚無の味」などと表現され、インターネット上では「こんな商品を待っていた!絶対買う!」という声がある一方、「何のために食べるの?」「味がないものがずっと口にあるのはストレス…」と疑問視する声も。

 結果、発売から1か月近く経過した実績は、全国で品薄となるほどの人気だといいます。お菓子の常識を覆す「味のしない?」ガム、誕生のきっかけは?何を目的に食べたらよいのか?尽きない疑問を、ローソンの担当者に聞きました。さらに歯科医師に聞いた「噛む行為と、体の良い関係」とは。

「味のしない」誕生のきっかけは、コロナ禍

 シリーズ第一弾の「味のしない?飴」は、コロナ禍のマスク生活で高まっていた、「口の中を潤したい」という声をきっかけに生まれたといいます。口の中を潤したい一方で、「甘い飴を食べ続けるのは苦手」とか、「マスクをしていると、ミント味が目に染みる」といった意見を耳にしたそう。

 そんなニーズにこたえるため「味のしない?飴」が開発されました。すると、飴を発売した後に、SNSで「ガムも発売してほしい!」という声が沸き上がり、それを商品担当者が目にして、第2弾の「味のしない?ガム」が誕生したということです。

「飴」なら、口の中を潤す目的。では「味のしない?ガム」は、どういった楽しみ方、シチュエーションで噛むのが良いのでしょう。

いつまでも噛み続けたい人向け

 ターゲットは、『味がすることで、ガムを避けていた人』や、『仕事や勉強のお供にガムを噛みたい人』だといいます。味がなくなったあと、続けてガムを噛むのは不快!と思う人も、はじめから味がなければ、不快感はないでしょう?という論理です。長時間噛めるように、通常のガムと比べて、しっかりとした食感が長続きするよう作られているそうです。

 ではずっとガムを“噛み続ける”。この行為に何か意味や効果はあるのでしょうか。専門家である歯科医「おおたデンタルクリニック」の太田純明先生に話を聞きました。

 太田先生によりますと、ガムを噛むことで、主に3つのメリットがあるそうです。

「噛む行為」と体との良い関係

1つめ【唾液分泌の促進】口内の健康に大切な役割の唾液。唾液で口内が洗浄や殺菌され、虫歯や歯周病の予防、風邪やインフルエンザなどの予防にも役立つということです。

2つ目【全身の体力アップ】太田先生によると、人は正しい嚙み合わせができれば、発揮できる筋力が5%アップすると言われています。噛んであごの筋肉を鍛え、強く食いしばることができれば、スポーツでもより高いパフォーマンスを発揮できることにつながると考えられるそうです。

3つ目【脳の活性化】太田先生によると、噛むことで脳の血流が促進され、集中力や記憶力アップにつながります。仕事や勉強のお供にガム、は理にかなっているそうです。

「ガムをいつ噛むの?」歯科医オススメタイミングは…

 ちなみに太田先生が『おすすめする、ガムを噛むタイミングは…食後』だそうです。食後にガムを噛むことで、口の中に唾液が促進、口内を清潔に保てることに加えて、眠くなりがちな食後に、脳を活性化させる効果もあるからだそうです。

 一体「何のためにあるの?」と思って調べた“味のしないガム”ですが、詳しく話を聞いていくと、「味」はさておき、噛むという行為に、多くのメリットが隠されているということでした。コロナ禍きっかけで生まれた「味のしない」食品は、新たな時代の、トレンドに成長していくかもしれません。