２０２４年、新たな年がはじまりましたが、老後２０００万円問題をはじめ尽きないお金の不安。著書「ジェイソン流お金の増やし方」が７０万部超えのベストセラーとなった、ＩＴ企業役員でお笑いタレントの厚切りジェイソンさんが、お金を増やすプロとして自身のテクニックを解説。ジェイソンさんは、「増やしたいなら節約。収入を増やすより支出を減らすほうが費用対効果が大」が持論。ジェイソン流節約術に取り組む理由や、具体的な実践方法を例示します。2024年に始まる「新ＮＩＳＡ」について、ジェイソン流投資術の基本についてもわかりやすく語りました。
「1000円稼ぐより700円節約の方が上」
――厚切りジェイソンさんは著書「ジェイソン流お金の増やし方」の中で、お金を増やしたいなら、まず節約。「収入を増やすより支出を減らす方が費用対効果が大きい」と言っています。
（厚切りジェイソンさん）節約する前にまずは現状を把握する必要があるんです。実際いくら使っているのか、どこにお金が流れているのか、をわかっている人が少ないのが僕は不思議です。今も1円単位で、例えば自動販売機からジュースを買ったら、それを記入して後で分析します。そうするといろいろ見えてくるんです。1年間でこんなにコンビニで使ってたんだ、とかわかって、ちょっと節約しやすくなります。
（厚切りジェイソンさん）収入には、所得税を払う収入もありますよね。で、使うときは消費税がかかるんですよね。両側から税金を取られるので、1000円多く稼ぐよりも、700円ぐらいのお金を使わない節約は将来は同じくらいの力。700円の消費をやめると、約1.5倍の力があるということになります。
ジェイソン流節約「買わない」「固定費見直し」
――ジェイソンさんの節約で、皆さん真似ができるものはありますでしょうか。見ていきましょう。例えば「買わない。自販機は使わず、飲み物は手作りドリンク」
（厚切りジェイソンさん）そうです、僕はやってることは全部記入してるので、自分にとって、これは幸せですかと考えて、幸せでなければ削りましょうとなります。同じようなことを、もっと安いやり方や物を買わないで済ませたり、いろんなことができます。
もう一つ大きいのは「固定費」です、毎月かかる通信料とか。僕は夫婦揃ってスマホで3000円かからないです。1人当たり1万円超えている人が多いと聞きますけれど、似たようなサービスなんですよ。結局どこでも使えますし、ギガ数も困ることはないので、僕は3000円で済ませています。「面倒くさい」とずっとやらないと、10年重ねていくと、大金になります。
――「買わない。洋服はおさがり」というのもあるんですか。
（厚切りジェイソンさん）昔からのものもありますし、アメリカに行くと友達のお母さんからもらったり、服はボロボロになるまで使い続けます。
ジェイソン流節約「行かない」「歩く」
――「行かない。コンビニと飲み会には近寄らない、妻の料理が美味しいよ」というのもあるんですか。
（厚切りジェイソンさん）別に買うつもりもなければ、入る意味もないんですよね、なんで入るんですか。（飲み会は）自分の価値観なんですけれど、この人と一緒に飲む分の価値はないかな、と思うんだったら僕は断ります、誘われたから行く必要はないと思う。
――「交通手段は、歩く。15キロ程度なら余裕」という節約もあるんですか。
（厚切りジェイソンさん）散歩も好きですし、ポッドキャストなどを聞きながら野鳥を見つけるのはめっちゃ楽しいです。仕事がなくても15キロぐらい歩きます。そうしたら一石二鳥、もちろん鳥に石は投げないですよ、全部好きなことをできますので良いです。
――さらに「公共施設の活用。公園で筋トレ」というのもあります。
（厚切りジェイソンさん）いつも遊具を使って懸垂してるんですけれど、この間、保育園児が来て「マッチョ、マッチョ」とみんな拍手するようになった。有名になってるかもしれない。
――「欲しいものは待つ」こちらは？
（厚切りジェイソンさん）娘が３人いますけれど、ゲームソフトが欲しいときは出たばかりの頃よりも、少し待って中古で買ったら、同じものを２個買えますよ、みたいな話です。
――質問です。単身の頃は節約できていたんですが、家族ができると家族まで制御できません。たとえば主人はバンバン使ってコンビニも気軽に入っちゃう、ので私の努力がむなしい。どうすればよいでしょう。
（厚切りジェイソンさん）夫婦間の価値観を合わせないと厳しいです。少なくともアメリカだと「感覚が合わなかった」というのが離婚原因の上位に入ります。僕の場合は同じアプリを、妻と共通で使って、自分の携帯に同じものを入れているので、相手に、こんなに使ってるんだとわかって家庭レベルで分析ができる。価値観を合わせましょう。
ジェイソンさんおススメの投資法とは
――節約でできたお金を、ジェイソンさんおすすめの投資法は長期分散積立のコツコツ投資、投資信託がいいんじゃないかと提案されています。
（厚切りジェイソンさん）株式投資の鉄則というか、長期分散積立が結構大事になっていきます、何の注意もなく「勢いがあるから買ってみました」という株の投資は危険だったりしますが、長期と分散で考えていけば、ある程度リスクを緩和できることに繋がります。
――ちなみに投資信託は、例えばA社B社C社それぞれに投資をするのではなくて、たくさんの会社の株がひとまとまりのパッケージになっているものが投資信託、そこに投資するということになります。
アクティブファンドとインデックスファンドの選び方
（厚切りジェイソンさん）気をつけないといけないのは、投資信託も山ほどあって、意外と分散していない投資信託もあります。例えば、全て医療業界だけの投資信託とかもあるんですけれど、僕がすすめているのは、幅広くいろんな業界、事業、地域、いろんなものにまたがってる、それこそ究極の分散型の投資信託はいいと思う。
――さらに投資信託には２種類があるんですが、「アクティブファンド」は指数を上回ることを目指し、「インデックスファンド」は指数に連動することを目指しています。これはどう見たらいいですか。
（厚切りジェイソンさん）アクティブファンドは人の知識を使っているので、その人の給料を、手数料で払わないといけないんです。そうすると手数料が高くなるので、仮にインデックスファンドを超えたリターンがあったとしても、手数料を加味すると負けることもある。インデックスファンドは、S＆P500、ダウ平均、日経平均とかに応じて自動的に買う。人の知識がいらないので手数料を低くでき、指数のまま実現ができて、誰でも再現性の高いやり方です。
「指数が一気に下がったとき」売った方がいいのか…？
――長期ということは、できるだけ長く持っていた方がいいのですか？
（厚切りジェイソンさん）複利の力で少しずつ、例えば1%づつなら、最初は100円が101円になるのですが、塵も積もれば少しずつですけどいつの間にか大金になる。最初は気付かないほどの成長が長期かければ複利の力が発揮できます。
――インデックスでも、バーンと下がるときがあるでしょ。ああいうときは売りたくなるんですが、どういう心持ちでいればいいのですか？
（厚切りジェイソンさん）ずっとそのまま決めたやり方でやり続ける必要があるんです。下がったときこそ買い続けるべきです。毎月同じ金額を入れると、下がってるときは、同じ金額で多くの数が買えるので、戻ってくるときに自分のリターンが加速できるんです。安いときに売ったら損が確実になりますし、安くなっているときの、良い買い物のチャンスを逃してるので、もうずっと計画通り冷静にやり続けるしかないんです。10年20年30年です。
――投資信託を現金化するときは税金がかかります、儲けの約２割が税金で取られ、例えば10万円の利益が出たら2万円が税金。ジェイソンさんは「Why Japanese people?NISAをやらないの」と言っていますね。
「Why Japanese people?NISAをやらないの」
（厚切りジェイソンさん）もったいない。投資をやらないと自分の老後資金は作れない時代になっていると思うんですが、やるんだったら税金が非課税になるやり方があるのであれば、それを使わないのは、その分のお金を逃しています。
――2024年からの「新NISA」は、つみたて枠が年間１２０万円、成長投資枠が年間２４０万円と大きくなり、非課税保有期間は無期限化、非課税は全部で1800万円まで、となります。ただ新NISAは、非課税でお得な制度だと話しながら、リスクはありますので絶対儲かりますって話ではない、ご自身の判断で決めていただくことが大切です。
（厚切りジェイソンさん）NISAはあくまでも口座の種類なので、今までの長期・分散・積立をNISAでやるという話です。２年前に出した著書「ジェイソン流お金の増やし方」は、70万部を突破しましたが、その中で一番言われたのは「節約は頑張ってます。それでも投資資金が足りない、収入自体はどうやって増やせるんですか」という話でした。新たに発売したのが「ジェイソン流お金の稼ぎ方」で、収入の話になっています。自分の専門性を生かして、世の中が必要としているものを見つけて、交渉することで自分の収入をできるだけ増やして、それを全部投資に回せば、ある程度、将来の不安を払拭できるという話になっています。（2023年11月24日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より）
厚切りジェイソン ＩＴ企業役員 お笑いタレント ３姉妹のパパ 著書「ジェイソン流お金の増やし方」が７０万部超えのベストセラーになり、今年１１月２０日に「ジェイソン流お金の稼ぎ方」を出版
