京都アニメーション放火殺人事件の裁判は2日目(証拠調べ)です。検察側が青葉真司被告が確保された直後の警察官との緊迫したやりとりを音声で公開した後、弁護側が説明に立ち、青葉被告がコンビニ強盗事件で刑務所に収容されてから、京都アニメーションで事件を起こすまで約7年間の精神状態を中心に説明しました。
2013年7月以降の刑務所での記録によりますと、青葉被告は幻聴・幻覚・不眠などによるイライラに悩まされ、自殺のリスクが高い「要注意者」に指定。部屋で不審な動きをして職員に注意された際は強く反発するなど、10回以上も懲罰を受けたうえ、2015年10月には「統合失調症」と診断されたということです。
刑務所の中で京都アニメーションの作品を鑑賞していて、2016年1月に出所する際のアンケートには、「1年後に作家デビュー、5年後に家を買う、10年後は大御所」と書き、自身の夢を抱いていたことが明かされました。
また出所後、青葉被告を担当した訪問看護の記録などによりますと、青葉被告は、主に不眠の影響で精神状態が常に不安定だったとし、2018年5月には、自宅アパートを訪れたスタッフに包丁を振りかざし、「付きまとうのをやめないなら殺すぞ」「今のままでは人を殺してしまう。人間は足を引っ張る人間ばかり信用できない」などと脅したり話したりすることもあったということです。
青葉被告の室内には、破壊されたパソコン2台とプレイステーションが散乱していたほか、切り刻まれた革ジャンパーや布団が散らばっていたということです。
青葉被告は、薬を飲んだり、睡眠が十分なら精神状態が安定することもあったそうですが、2019年3月に突然連絡が取れなくなったといいます。
そこから、事件に近づく約3か月間面会できなかった訪問看護施設側は、薬が服用できていないことから「対人トラブル」が起きないか懸念していたことも、弁護側から説明されました。