一部週刊誌で女性トラブルが報じられていたタレントの中居正広さんが1月23日、芸能界引退を自身のファンクラブサイトで発表しました。自身が代表を務める個人事務所「のんびりなかい」を廃業することも明らかにしています。
これまでの経緯を振り返るとともに、引退によりどのような影響が生じるのか、経営コンサルタント・小宮一慶氏に聞きました。
◎小宮一慶:経営コンサルタント 京大法学部卒業 数々の企業の社外役員や顧問を務める
芸能界引退を表明 声明全文
【中居正広さんコメント ※ファンクラブサイトより】
少しでもお先にご報告
私、中居正広は本日をもって芸能活動を引退いたします。
なお、会社であります【(株)のんびりなかい】につきましては、
残りの様々な手続き、業務が終わり次第、廃業することと致します。
ご報告にあたりましては、私がこれまでに携わらせて頂きました
テレビ各局、ラジオ、スポンサーの皆さまとの、
打ち切り・降板・中止・契約解除等に関する会談が全て終了し、
本日となった次第でございます。
これで、あらゆる責任を果たしたとは全く思っておりません。
今後も、様々な問題に対して真摯に向き合い、
誠意をもって対応して参ります。
全責任は私個人にあります。
これだけたくさんの方々にご迷惑をおかけし、
損失を被らせてしまったことに申し訳ない思いでなりません。
そして、
改めて相手さまに対しても心より謝罪申し上げます。
関係者各位の皆さま、ご迷惑をおかけしました。
重ねて、お詫び申し上げます。
大変、大変申し訳ございませんでした。
ヅラの皆さん
一度でも、
会いたかった
会えなかった
会わなきゃだめだった
こんなお別れで、本当に、本当に、ごめんなさい。
さようなら…。
2025年1月23日
中居正広
また、中居さんの引退表明を受け、元SMAPのメンバーである稲垣吾郎さん・草彅剛さん・香取慎吾さんの3人が、連名で以下のコメントを発表しました。
突然のことでまだ心の整理がついておらず、言葉が見つかりません。
現在お話さしあげることは控えさせていただければと思います。
ご理解いただきたくお願い申し上げます。
「芸能活動についても支障なく…」から急転、引退表明となった理由は?
中居さんは1月9日、公式サイトで「トラブルがあったことは事実」とした上で、「示談が成立したことにより今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりましたと」コメントを発表。
その約2週間後の引退声明という急展開について、経営コンサルタントの小宮一慶氏は、「思っていたより話が大きくなってしまったのではないか」と指摘しました。
小宮氏は、「中居さんと女性だけの話ではなく、フジテレビがどう関与しているかをめぐって、スポンサーが大量にCMを見合わせたり、投資家から開示要求が出たりということがあって(話が)大きくなった」といいます。
実際、中居さんの女性トラブルをめぐり、フジテレビでは少なくとも75のスポンサー企業がCM放送を見合わせ。そして、ACジャパンに差し替えた分のCM費用の返金に向けた作業が一部始まっています。
「中居さん自身」と「のんびりなかい」が背負う責任は何か
引退声明では、個人事務所の「のんびりなかい」について「業務が終わり次第廃業する」と発表しています。一方で小宮氏は「『のんびりなかい』に損害賠償の請求が来る可能性があり、それを全部支払わない限り廃業はなかなかできない」と指摘しました。
中居さん自身が出演していたCM降板による違約金のほか、終了した番組が多数あることで放送局への影響も大きくなっています。「のんびりなかい」の代表取締役は中居さん自身ですが、会社として、中居さん個人としての責任についてどこまで責任を負うことになるのでしょうか。
小宮氏は次のような見解です。「これは間違いなく責任がありますから、場合によっては全てのお金を返さなかったら破産することも可能性としてありうるのではないかとは思います。そのあたりはおそらく、弁護士さんや会計士さんと相談した上で、この(引退声明の)文章になっていると私は考えます」
「フジテレビが局としてどう関与したか 事実があれば公開されるべき」
改めて、中居さんの女性トラブルをめぐるこれまでの経緯です。
去年12月19日:週刊誌が女性とのトラブルを報じる
12月26日:別の週刊誌がフジテレビ社員の関与報じる
12月27日:フジテレビは公式サイトで社員の関与を否定
今年1月7日:日本テレビが特別番組から中居さん出演シーンをカットして放送
1月8日:フジテレビが「だれかtoなかい」について当面の休止を発表
1月9日:中居さんが公式サイトで「トラブルは事実」「示談成立」とコメント発表
1月15日:米投資ファンドがフジテレビに対して「激怒しています」と会見を求める
1月17日:フジテレビがテレビカメラNGなどの記者会見 「2023年6月にはトラブルを把握」と発表
この問題をめぐるフジテレビの対応について、経営コンサルタントの小宮氏は、「フジテレビとしては、中居さんと被害女性との“小さな問題”として解決したかったのではないか」との見解を示し、前回の会見内容で、「自分たちは関係ない、というような話に終始したが、それを世間も株主も許さなかったということではないか」と指摘しました。
小宮一慶氏「中居さんと被害女性との間のことに関しては、守秘義務があり開示されない可能性がありますが、フジテレビがどう関与したかに関しては公開されないといけない。関与がなかったことを証明するのか、あるいは第三者委員会が調べて、もし事実があれば開示されると思う。そこには守秘義務はありませんから。」
「日弁連ガイドラインに基づいた第三者委といっているので、そこには調査権限がある、多くの人に調査して、女性に関して局としてどのように関与したのか、女性に対してどう話したのか、調査して何かあれば、表明するのだと思う」