2021年の東京オリンピックでは、1992年のバルセロナ大会以来29年ぶりのベスト8に進出。去年の世界選手権でも見事決勝トーナメントに進み、その東京オリンピックで優勝したフランス代表をあと一歩のところまで追いつめたバレーボール男子日本代表。今年4月7日、パリオリンピックを来年に控え、重要な位置づけとなる今年度の登録メンバー37人が発表された。
発表に伴う記者会見の中で、フィリップ・ブラン監督が最初に口にしたのは、今年3月、バレーボールに対する深い情熱を燃やしながらも31歳で急逝した藤井直伸さんへの思い。「彼は、これからもこの代表メンバーとして、わたしたちの心にあり続つける」と哀悼の意をしめした。
続いて発表された今年度の強化方針では、強化と育成を同時に行いながらチーム力をアップしていくこと。そのために、Aチームに加えて、若手有望選手中心のBチームを編成し、2チーム体制で今期の代表活動を実施していくことが示された(※現時点ではABの振り分けは未発表)。
注目の代表メンバーについても、ポジションごとに言及。エースの西田有志選手に対する期待、今年度もキャプテンに就任するイタリアリーグで活躍中の石川祐希選手への信頼とともに、学生の身でありながらそのイタリアリーグに挑戦し、スターティングメンバーとして多くの試合を経験した高橋藍選手の成長ぶりを評価した。その他、ミドルブロッカー陣やセッターについては、8日からファイナル4に突入するVリーグでの各選手のパフォーマンスを注視した上での選考であることを明らかにした上で、さらなる各選手の奮起を促した。
今年の最大の目標は「パリオリンピックの出場権を獲得すること」と位置付けたブラン監督。そのためには、9月末から東京での開催が予定されているオリンピック最終予選で2位以内に入るか、世界ランキングで上位をキープすることが何よりも重要になる(※現在の世界ランキングは、アジア最上位の7位)。その世界ランキングに影響する代表チームの最初の活動は、6月6日、名古屋でのイラン戦から始まるネーションズリーグ。ここから、本当の意味での男子バレー復活に向けての挑戦がスタートする。
◎2023年度日本代表登録メンバーは、以下の通り。
1 西田 有志(Jテクト OP)
2 小野寺 太志(JT MB)
3 深津 旭弘(堺 S)
4 宮浦 健人(スタルニサ・ポーランド OP)
5 大塚 達宣(パナソニック OH)
6 山内 晶大(パナソニック MB)
7 高梨 健太 (WD名古屋 OH)
8 関田 誠大(Jテクト S)
9 大宅 真樹(サントリー S)
10 高橋 健太郎(東レ MB)
11 富田 将馬(東レ OH)
12 高橋 藍(日本体育大学 OH)
13 小川 智大(WD名古屋 L)
14 石川 祐希(ミラノ・イタリア OH)
15 柳田 将洋(Jテクト OH)
16 村山 豪(Jテクト MB)
17 小澤 宙輝(東レ OH)
〇18 西山 大翔(パナソニック OP)
19 築城 智(ベルリン・ドイツ L)
20 山本 智大(堺 L)
21 永露 元稀(WD名古屋 S)
22 藤中 謙也(サントリー OH)
23 佐藤 駿一郎(Jテクト MB)
24 高橋 和幸(Jテクト L)
25 難波 尭弘(東レ MB)
26 山崎 彰都(WD名古屋 OH)
27 藤中 颯志(サントリー L)
28 エバデダン ラリー(パナソニック MB)
〇29 山本 龍(サントリー S)
30 甲斐 優斗(専修大学 OH)
〇31 高橋 慶帆(法政大学 OP)
32 麻野 堅斗(早稲田大学 MB)
〇33 備 一真(VC長野 L)
34 新井 雄大(JT OH)
35 樫村 大仁(サントリー MB)
〇36 三輪 大将(VC長野 MB)
〇37 下川 諒(VC長野 S)
※〇は初の代表選出
★ポジション
OP オポジット
OH アウトサイドヒッター
MB ミドルブロッカー
S セッター
L リベロ