小林製薬の「紅麹」を含むサプリを摂取した人が健康被害を訴えている問題で、小林製薬は新たに170人分の死亡に関する相談があったと厚生労労働省に報告したと発表しました。そのうち、76人について紅麹との関連について調査しているということです。

 厚生労働省によりますと、紅麹問題を巡っては6月26日時点で、死亡者数は5人、入院者数は289人、医療機関を受診した人は1656人と確認されていました。

 また、小林製薬はこれまで腎疾患と診断されているケースを国などへ報告対象としていましたが、原因究明においてプベルル酸だけではなく他の化合物の可能性も認識されていて、腎疾患以外のものについても報告すべきと判断したということです。

 その中で亡くなった人の人数については、当面は具体的な確認結果を報告することができないことから、「死亡との関連性を調査している対象事例数」を報告、公表すべきと判断しました。

 その結果、既に公表済みの死亡事例数5人を除くと、新たに170人が該当したということです。その中で、91人については紅麹関連製品を摂取していませんでしたが、その他の76人については紅麹関連製品との因果関係について調査を進めているということです。

 76人の中には、腎関連の疾患のものもあれば、ガンや脳梗塞、肺炎などによるものもあるということです。

 小林製薬は「被害発生の否定できないものは広範に報告・公表すべきものと判断したことによるものであり、性質上、関連性が否定されるものも相当数含まれている可能性がある」としています。

【武見大臣「極めて遺憾」】

 小林製薬からの報告を受けて厚労省の武見厚生労働大臣は「小林製薬の判断により、死亡者数の判断をしなかったことは極めて遺憾であると考えています。今になって何を言い始めているんだと。詳細を調査させる。27日になって、初めて全体像が示された。極めて遺憾であると思っています」