7月1日に発表された「路線価」。近畿では都心部が上位を占めた一方、意外な場所が急上昇です。

 路線価は国税庁が公表する1月1日時点の土地の評価額で、相続税や贈与税の算定基準となります。近畿では去年より平均で1.8%上昇し、2年連続の上昇となりました。

 最も高かったのは、41年連続で大阪・梅田の「阪急百貨店うめだ本店」前。1平方メートルあたりの価格は2024万円です。

 また、大阪・ミナミにある戎橋ビル前の心斎橋筋は13.6%上昇して、1平方メートルあたり1608万円となりました。

 一方、上昇率が最も大きかったのは大阪市西区江戸堀の四つ橋筋で19.3%(1平方メートルあたり340万円)。その要因として専門家は、うめきたの再開発などがあると分析しています。

 この上昇率、上位のほとんどを都心部が占めていますが、今回6位にランクインしたのは意外な場所でした。兵庫県太子町東南です。上昇率は12.9%、1平方メートルあたりの価格は7万円です。

 最寄りのJR網干駅から神戸・三ノ宮へは新快速なら1時間足らずで行けるほか、町内をバイパスが通るなど交通の利便性が高く、ベッドタウンとしてこれまでも人気でした。ただ、住民によりますと。近年、街の様子が変わってきたといいます。

 (町民 40代)「田んぼだったところが、いつの間にやら住宅街になっているから、若い人がどんどん増えているのかなという印象を受けます」
 (町民 60代)「大型のお店とかがきているし、にぎやかになっている」

 専門家は新たな土地の分譲が進んだことで子育て世代が増え、さらに国道沿いの店舗の増加が土地の価格を押し上げたと分析しています。

 (町民 60代)「車があったら姫路・赤穂もどこでも行けるし。住むなら太子町」

 都心の土地バブルが指摘される中、土地の上昇は一部の郊外にも波及しています。