過去のいじめを巡り、京都市が異例の再調査をはじめました。

 関係者によりますと、京都市の市立小学校に通っていた当時6年生の男子児童は3年前、同級生からコンパスを勝手に持ち出され壊されるなどのいじめを受け、30日以上欠席しました。

 京都市教委は当時、欠席といじめとの因果関係はないとして重大事態と認定しませんでした。一方、児童側はいじめが原因で不登校になり心身の不調が起きたなどとして元同級生らへの訴えを起こし、6月26日、京都地裁はいじめを一部認め15万円の支払いを命じる判決を言い渡していました。

 (京都市教委の担当者)「絶対あってはならないことだと思っていますし、誠に遺憾であると」

 7月3日、京都市教委の担当者が児童の保護者と面談を実施。「当時の調査が足りていなかった」として、3年前の判断を見直し、児童へのいじめを重大事態と認定したことを明らかにし、謝罪しました。

 市教委によりますと、過去に重大事態と認定しなかった事案を一転して重大事態と認めるのは初めてで、関係する教諭に聞き取りをするなど再調査をはじめているということです。

 突然の重大事態の認定を受け、児童の母親は…

 (児童の母親)「(重大事態の認定が)遅かったですね。もうちょっと早くしてほしかった。(重大事態認定の)数が多いことは恥ずかしいことではないと思います。それだけ救われる子がいるということなので、たくさん認定して救ってあげたらいいと思います」

 市教委は7月下旬にも報告書をまとめる方針で、児童本人への謝罪も調整中だとしています。