知事のパワハラ疑惑を告発し、その後、死亡した兵庫県の元幹部職員。疑惑に関する音声データを残していました。

 今年3月、当時兵庫県の西播磨県民局長だった男性(60)は、斎藤元彦知事のパワハラやおねだり体質などを告発する文書を作成して配布しましたが、県は「核心的な部分は事実でない」として元局長を停職3か月の懲戒処分としました。

 その後、疑惑を調査する百条委員会が議会に設置され、元局長は今週、証人として出頭する予定でしたが、7月7日に死亡しました。自殺とみられています。

 関係者によりますと、元局長は、百条委員会で発言する予定だった内容の陳述書や疑惑に関する音声データを残していて、音声データには知事が出張で訪れた地域のワインについて、「私も飲んでみたい」「折を見てお願いします」などと発言した内容が録音されていたということです。

 斎藤知事は自身の進退についてこれまで「全力で県政を前に進めることが私の責任」として辞職を否定しています。7月15日、関西空港などのあり方を話し合う会議に姿を見せた斎藤知事は…

 (兵庫県 斎藤元彦知事)「(Q音声データについての受け止めは?)きょうは空港に関する懇談会ですから、ご質問等あれば、あしたの定例会見でご質問いただけたら。(Q改めて辞職については?)あえてひと言だけ言わせていただきますと、1日1日の仕事をしっかりやっていくことが私の責任だと思っています」

 発言の有無については語らず、辞職は改めて否定しました。音声データと陳述書は遺族によって百条委員会に提出されていて、16日に取り扱いが検討される予定です。