百条委員会の委員だった元兵庫県議が死亡していたことが分かりました。元県議が死亡したことを受け立花孝志氏が「逮捕されるのが怖くて自ら命を絶った」などと発信しましたが、県警本部長が「全くの事実無根」として完全に否定しました。
関係者によりますと、亡くなったのは元兵庫県議の竹内英明さん(50)で、1月18日夜、搬送先の病院で死亡が確認されました。自殺とみられます。
竹内さんは兵庫県の斎藤元彦知事へのパワハラ疑惑などを告発した文書について調べる百条委員会の委員でしたが、SNS上での誹謗中傷が相次いだことで、去年11月に議員辞職していました。
斎藤知事は20日朝に次のように話しました。
(兵庫県 斎藤元彦知事)「県議会議員としてのご尽力に心から敬意を評するとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます」「(SNSの)条例制定に向けて準備をする中で、誹謗中傷のない社会を目指した取り組みを進めていきたい」
竹内さんの死亡をめぐっては、知事選挙にも立候補していた立花孝志氏が、SNS上で「(竹内元県議は)兵庫県警から任意の事情聴取を受けていた」「逮捕されるのが怖くて自ら命を絶った」などと発信。
立花氏の投稿について斎藤知事は…
(兵庫県 斎藤元彦知事)「立花さんのSNSの詳細は拝見しておりませんので、個人としての発信、政治に携わる方の発信でもありますが、SNSというものはそれぞれが理性的に運用することが大事」
一方、兵庫県警のトップ村井紀之本部長は20日午前の兵庫県議会の警察常任委員会で、異例とも言えるコメントを出しました。
(兵庫県警 村井紀之本部長)「こういった場で個別案件の捜査について言及することは、通常は控えておりますけれども、事案の特殊性に鑑みまして答弁させて頂きます。竹内元議員につきましては、被疑者として任意の調べをしたこともありませんし、ましてや、逮捕するという話はまったくございません。全くの事実無根でありまして、明白な虚偽がSNS上で拡散されていることは極めて遺憾である」
県議会の警察常任委員会の場で立花氏の発信について「全くの事実無根」と完全に否定したのです。
SNS上での誹謗中傷に悩んでいた元県議の死亡。百条委員会で共に調査を行ってきた委員からはつぎのような声が聞かれました。
(百条委の委員)「(竹内元県議は)立花氏による脅迫めいたことで、奥さんや子どもが外に出られなくなったと言っていた」
「竹内さんが辞職した後、ご家族は回復したが、竹内さんは憔悴してしまっていると聞いた」
「非常に悔しいし、腹立たしい。行政や警察がもっと早く動いてほしかった」
県警トップが「事実無根」と否定した投稿について、立花氏は「警察の捜査妨害になる可能性がある」などと主張してすでに削除しています。
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