兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを調査している百条委員会が、「チャットを使った業務時間外の職員への指示」などをパワハラ認定する方向で調整していることがMBSの取材で分かりました。
兵庫県の斎藤元彦知事は去年3月、元県民局長(当時60)からパワハラなど7つの疑惑で告発されました。
県議会は百条委員会を設置して、斎藤知事が去年11月の選挙で再選した後も、調査を継続しています。
■パワハラ疑惑の具体例は…
元県民局長が作成した告発文書では、斎藤知事による業務時間外のチャットでの指示などがパワハラの具体例として挙げられていました。
非公開で行われたこれまでの証人尋問で、県の幹部職員は「深夜の11時、12時に、知事からチャットが来るので気が休まることはない」などと証言しています。
■投稿履歴の半数近く 深夜や休日
さらに、おととし4月から去年3月までの1年間で、幹部職員らに対し、知事が送信者または受信者となっている投稿は計4885件あり、このうち半数近くの2165件の投稿が、深夜・休日などの業務時間外に送られていたことも明らかになりました。
この点について斎藤知事は「幹部職員ということもあって気持ちの甘えがあったという風に思ってますので、そこは負担に思われた幹部職員にはお詫び申し上げたい」と釈明しています。
■公用車から降ろされて「叱責」の件は
また告発文書には、斎藤知事が出張先で出入口の20メートルほど手前で公用車から降ろされた際に職員らを叱責したとの指摘もありました。
幹部職員は百条委員会で「非常に強い口調で頭が真っ白になった」などと証言しています。
斎藤知事は「会議が始まる直前で、外だったこともあり、大きい声でその旨伝えたと記憶している。歩かされたことに怒ったのではなく、円滑な車の進入を確保していなかったことへの注意です」と、業務上、必要な指導との認識を示しました。
関係者によりますと、百条委員会はこれまでの証人尋問や、アンケート調査の結果を踏まえて、こうした業務時間外のチャットや20メートルほど手前で車を降ろされた際の叱責などの行為をパワハラと認定する方向で最終調整しているということです。
調査報告書は、2月に始まる県議会の本会議で提出される見込みです。