勤務開始の11時間前に缶ビール2本・計1リットルを飲んだうえ、法定のアルコール検査を受けないまま国際線に乗務。さらに飲酒の事実を当初隠ぺいしようとしていた…。LCC(格安航空会社)の「ピーチ・アビエーション」の機長に、国土交通省は3月14日、30日間の航空業務停止処分を下しました。


▼勤務開始11時間前に缶ビール2本 会社からの聞き取りに当初は虚偽の説明

 国土交通省やピーチ・アビエーションによりますと、今年1月7日、シンガポール発・関西空港行きの便の機長が、社内の運航規程で勤務開始前12時間以内の飲酒が禁じられているにもかかわらず、開始約11時間前に500ミリリットルの缶ビール2本を飲みました。

 さらに、法定のアルコール検査を受けないまま乗務したということです。ピーチでは、勤務開始前に会社独自のアルコール検査も行っていて、機長はその検査は受け、酒気帯び状態でないことが確認されていました。

 加えて機長は、会社からの聞き取りに対し、飲酒した事実を隠そうと、当初は虚偽の説明を行っていました。

 さらにこの便をめぐっては、副操縦士も法定のアルコール検査を受けないまま乗務していました(同じく、会社の検査では酒気帯び状態ではないことを確認)。


▼機長に30日間の航空業務停止処分

 国交省は3月14日付けで、この機長に、30日間の航空業務停止処分を下しました。

 また国交省は先月、ピーチに対して厳重注意を行っていて、ピーチは3月7日に、再発防止策をまとめた報告書を同省に提出しました。報告書では、法定のアルコール検査に合格しなければ飛行計画が承認されないようシステムを改修するなどとしています。

 ピーチは「このような事象を発生させたことを重く受け止め、お客さまをはじめ関係者のみなさまの信頼を回復すべく、全社一丸となってこの再発防止策に取り組んでまいります」としています。