寺での性被害の訴えをめぐり、天台宗が3月27日までに、住職を罷免処分としたことが関係者への取材でわかりました。一方、同じく懲戒審理の対象となっていた大僧正は「懲戒規定に該当しない」と判断されたということです。
天台宗の尼僧・叡敦さんは、約14年間にわたり、四国にある寺の住職(60代)から日常的に性的暴行などを受けたとして、住職と住職を紹介した親戚の大僧正(80代)、計2人の僧籍を取り上げるよう天台宗に求めていました。
天台宗はこれまで、寺の現地調査や住職らへの聞き取りなどを行い、去年11月に住職と大僧正の2人について、宗内の重大な懲戒事案などを扱う「審理局」に懲戒審理を請求していました。
審理局は3月27日までに審理結果として処分を通知したということですが、現在は不服申し立てが可能な期間だということです。
叡敦さんの代理人・佐藤倫子弁護士は、叡敦さんのSNSを通じて「求めていた僧籍の剥奪ではなく、一つ下の罷免処分は残念な判断です。審判も非公開で、叡敦氏の声を直接聞くこともないまま、三回の審理で一方的に審判結果が通知されたことは、大変遺憾です」とコメントしています。