「文書開示の今日の日を無事迎えることができてホッとしています。裁判を粘り強く戦ったことが今日につながったと思います。文書がたくさんあるので内容はまだ確認できていませんが、夫が改ざんを強制されるきっかけとなった森友学園の土地の売払の真実が明らかになればと願っています。」

 自殺した財務省近畿財務局の職員、赤木俊夫さんの妻、雅子さんがコメントを寄せました。

 財務省は4月4日、雅子さんに約2000ページ分の資料を開示しました。代理人弁護士によりますと、今回開示されたのは、2013年から2016年にかけての森友学園との交渉記録や省内でのやり取りなど、土地取引に関する経緯の文書だということです。

 文書はどういう内容だったのか、雅子さんに話を聞くと、財務省と近畿財務局の間のメールのやり取りが多く含まれ、そこに新しい点があるのではないかと話しました。

 「夫が初めて改ざんした時のノートに改竄の指示と書いていた、改竄になったのも本省の指示で、間違った売り払いをしていたと感じた。本省が考えたことをやらされて責任を取らされたんじゃないかと感じた」(雅子さん)

 俊夫さんの形見のカバンを手に文書受け取りに臨んだ雅子さん。いまになって約2000ページが開示されたことについては、「期間が長かった。夫は亡くなって7年経つ、当時情報開示していたら亡くならずにすんだのではないか。」と話しました。

 いっぽう開示の資料に、安倍元総理大臣の妻・昭恵さんと森友学園の籠池夫妻(受刑中)の3人で映っている写真を、籠池氏側が近畿財務局の職員らに見せた時の記録=応接録がないことがわかりました。

 財務省は今後1年をかけて、計約17万ページに及ぶ資料と電子データを開示する方針で、次の6月に予定されている、改ざんまでの経緯を俊夫さんが記した、いわゆる”赤木ファイル”関連の文書開示に、雅子さんは期待を寄せました。

 「量が3倍になるので大変になるがそれ以上に、なぜ改竄せねばならなかったのか、(資料が)出てくるのが楽しみ、きょうは予行練習のような感じ」(雅子さん)