3月28日、2025シーズンのプロ野球が開幕しました。阪神タイガースの開幕ダッシュへ向けて広島3連戦でキーとなったプレーとは?元阪神タイガースの能見篤史さんは守備でキラリ光ったシーンをあげ、今成亮太さんは佐藤輝明選手のバッティングに注目しました。

広島戦は「1勝2敗でも十分だった」

―――まずは阪神タイガースの開幕3連戦を振り返っていきます。広島との初戦と第2戦を連勝し、3戦目は敗れて2勝1敗となりました。このスタートはいかがでしょうか?

 能見篤史さん「十分です。1勝2敗でも実は十分かなと。ビジターでの試合というところで、ホームではない分、まず1勝できれば十分というところで、2勝1敗で勝ち越しできたのは最高のスタートです」

―――初戦に勝った後、藤川球児監督の第一声は「ほっとした」。開幕投手の村上頌樹投手はどうでしたか?

 「もう、いい状態というか、ボールの質が進化した。(以前は)高めで空振りを取ったりっていうところなんですけど、今回投げたときは低めで空振りを取っていた。なので、ボールの質が格段と良くなった」

『体が開かずに泳いだ』佐藤輝明選手が打席で見せた高等技術

―――今成亮太さんは、12球団第一号となった佐藤輝明選手のホームランについて、フォームを実演しながら解説しました。

 今成亮太さん「バッターでよくないと言われるのが(体が)開いてしまう。めくれると言うんですけど、打つときに体が開いてしまうと、バットが(ボールに)届かなくなってしまうんです。ただ佐藤輝明選手は、体は開かずに“まっすぐに泳いだ”んです。そうすることで変化球を拾える幅が広がり、そのままパワーで持っていった。これはすごい高等技術なんですよ」

―――いっぽう、能見さんが注目したのは、第2戦目の4回に広島・ファビアン選手のセカンドゴロをとった中野拓夢選手のプレーでした。

 能見さん「結果的に1点入ってるんですが。ファビアン選手はバットの先っぽで打ってるんですよ。先っぽで打つことによってボールの回転は横回転になります。横回転でボールがワンバウンドしたときは横にどっちかに動くんですね。でも中野選手のグラブに入るんですよ。これは普通入らないです。しかもハーフバウンドで。これはとれなくて普通なんですよ」

 今成さん「野手目線で言うと、回転と逆の方に跳ね上がるんですよ。でも中野選手は瞬時の判断でとりに行きながら合わせてますね。これはすごい技術です」

 能見さん「とったことも、1塁ランナーをセカンドでアウトしてるのもそうですが、このプレーがなかったら、この試合は多分勝っていないと思います。この練習ってできないんですよ。経験とバウンドの合わせ方」

 勝ち越しに成功した阪神タイガース。4月1日からはホーム開幕戦で、昨シーズン日本一の横浜DeNAベイスターズとの3連戦です。阪神の開幕ダッシュに注目です。