大学ラグビー界の関西の雄、同志社大学ラグビー部。かつては、ミスターラグビー平尾誠二さんらを擁して、史上初の大学選手権3連覇を達成した名門。創部111年目で、日本でも3番目に古いと言われる。受け継がれる伝統の「紺グレ」ジャージに身を包んだ大学生ラガーマンを追った。
近年、大学選手権はおろか、関西リーグ制覇からも遠ざかる。古豪復活に向け、部史上初となる2人のキャプテンを置いて、生まれ変わろうともがいた。
そんな同志社ラグビー部の掲げたONE NUMBERは「4」。今季から関西リーグが勝ち点制になり、勝敗に関わらず、「4」トライ以上奪えばボーナスポイント「勝ち点1」が与えられることになった。同志社伝統の展開ラグビーに磨きをかけ、どの試合でも「4」トライを奪うことを目指す。そこで、重要になるのがブレイクダウン。ボールを奪い合う激しい攻防にフォーカスして、同志社の強みとして鍛え上げた。
ナビゲーターの伊沢拓司も「ブレイクダウン」に注目。現代のラグビーでのブレイクダウンの重要性などを説き、かつてはトライゲッター大畑大介氏、キックで一躍有名になった五郎丸歩氏ら得点に直結する選手が人気だったが、2019年W杯では笑わない男の異名をとった稲垣啓太選手らFWの選手に注目が集まっていることも紹介した。
同志社ラグビー部は春の関西を制覇。6年ぶりの秋の関西王者への期待も高まったが、第2戦の近大戦に敗れると、勝負がかかった京産戦でも黒星。京産戦では、勝つことだけではなく、ボーナスポイント「勝ち点1」にこだわった選択を。後半、確実に3点を積み上げるPGではなく、トライを果敢に狙いに行く場面も。しかし、結果には結びつかず。最終節で天理大にも敗れて、関西4位で大学選手権へ進むことになった。
ただ、同志社ラグビー部の目標は日本一。その道のりは険しいことに間違いはないが、古豪復活へ向けて、走り続ける。
【プロフィール】
1911年創部。日本で3番目に古いラグビー部。
1961年に第2回NHK杯(現日本選手権)で優勝。初の日本一に輝く。
1963年には第1回日本選手権優勝。1966年には日本初のニュージーランド遠征へ。
1982~84年には史上初の大学選手権3連覇を達成。
主なOBに平尾誠二、大八木淳史、大西将太郎、松井千士ら