林泰文さんインタビュー
パート2から、佐竹享役で出演の林泰文さん。妻をがんで亡くし、4歳の息子基生(もとい)を抱える内科医。ヒロイン木里子の父で内科医の周作(篠田三郎)の後輩に当たり、やはり幼くして母を亡くした木里子は、基生に自分の境遇を重ねる。そんな木里子に佐竹が一目ぼれ。いわゆる陽春の恋敵という設定なのですが、作者の宮内先生からの注文もあって、かなり悩まれたとか。どんなところに悩まれたのでしょうか?

―パート2から参加ということで、出演者の方々のチームワークも出来上がっている中に入っていくのは大変だったのでは?
「前作の『ピュア・ラブ』はたまーに見ていたので、作品の雰囲気はわかっていました。でもまさかそこに参加するとは(笑)…現場には入ってみないとわからないので不安でしたが、すんなり入ることができました」

―佐竹は木里子に一目ぼれしますよね。ご自身は?
「一目ぼれ?いいんじゃないですかねえ。僕自身もありますし(笑)。佐竹はあまりにも純粋すぎて、すべての感情が言葉で出てしまうんです。一歩間違えば、すごく嫌味に聞こえたり、深読みすると嫌な奴に見えたり。木里子と陽春の関係を気にして、陽春に直接会いに行ったりするんですが、他意はないんです。陽春の敵役としての嫌な奴なら簡単なんですが、作家の宮内(婦貴子)先生から、『この佐竹をいい人で演じてもらいたい』と言われてかなり悩みました。一番の課題でしたね。どんなセリフを言っても難しくて、かなり悩みました」

―台本では「好きです」とか、「結婚してください」とかいうストレートな台詞が並んでますね。
「僕自身はストレートにものを言わないんで、すごくテレくさいですよ(笑)自分でも演じていて『どうなんだろう?こんなに言っていいのか?』と思った部分です。でも、(視聴者の)すべての人に好きになってもらうわけではないので、いろんな角度で見てもらえれば・・・と思います」

―医者役で白衣を着られるのは?
「白衣を着るのは初めてではありません。これまでも医者や監察医役などで着たことがあります。でも、ちゃんとした診察シーンのある医者は初めてで、それも不安材料のひとつでしたね。医療指導してもらえましたから無事にすみましたが」

―陽春役の猪野さんとは3年前、ドラマ30『ディア・ゴースト』で恋仇を演じていますね。あの時は奥さん(菊池麻衣子)が猪野さんの演じる海軍中尉のゴーストを好きなってしまうという話でした。
「猪野君はあの時も海軍中尉できっちりしていたけど、今回もっときっちりしているお坊さんでしょ、ストイックな役者さんだと思いますね。でも普段は全然違うんで、そのギャップが面白いですね」

―収録中、一緒に飲みに行かれたりするんですか?
「今回、陽春さんは修行中なんで、からみも少なくて飲みに行く機会も少ないんですが、彼はほとんど飲んでないみたいですね。役づくりに専念してるようです」

―陽春と木里子、ふたりの恋をどう思いますか?
「そこまで思える相手と出会えるのはすごいと思います。しかも関係を持続してるわけですから。これまでの自分にはないので、うらやましいですね。そんな恋、してみたいですよ」