Q1あなたの仕事を教えてください。
国会担当の記者として、大阪・関西万博や日本維新の会など、さまざまなテーマに基づく取材をしています。内閣官房、経産省、外務省、国土交通省など、数々の部局・部署を横断して取材して、関西エリアに向けたニュースを出稿するのが私の役目です。
ただ、取材対象者が一方的に話したことをそのまま受け止めて発信するだけの、受け身の取材はしません。
たとえば、大阪・関西万博。週2回行われる万博担当大臣の取材では、大阪・関西万博の準備に向けたさまざまな課題を問うようにしています。「大阪で行われている建設工事で、このような問題が起きているが、どう対応するのか」などというように。工事現場で働く人たちの声を集めて、大臣に直接届けられるのは、記者だからこそできることです。万博担当大臣としても、現場を知り、改善策を打ち出すきっかけになるかもしれません。
国会は、いわば、最上流を決めて遂行するトップダウンの場所。だからこそ、現場の声を吸い上げて届けるボトムアップの存在でありたい。
永田町のなかにとどまるのではなく、関西をはじめとしたさまざまなエリアに足を運び、人々の声や想いを拾う。それを自分が代弁して、誰かが何かを考え、動く発端をつくり、少しでも社会をいい方向に変えていきたい。国会担当記者としての、私の矜持です。

Q2想いを実現できたできごとは?
「報道を通じてよりよい社会にしたい」という考えを、MBSは大切にしてくれます。これまで何度も想いを叶えることができました。
なかでも思い出深いのが、新型コロナウイルスの後遺症にまつわる特集です。
初めて放送したのが2021年。以前は、後遺症の存在が認識されていませんでした。ただ、新型コロナウイルスの取材をしていると、いつまでも倦怠感が抜けない、発症時よりも重症になっている、という人々がいることがわかったのです。なかには職場からの理解を得られず、仕事を失う人もいました。後遺症の存在を発信しなければ、辛い思いをする人がさらに増えてしまう。会社に、新型コロナウイルス後遺症の特集を放送することを提案しました。
「ぜひ放送しよう」「正式に存在が認められていない事象を扱うのは、視聴者に誤解を与えないだろうか?」など、意見はさまざま。喧々諤々の末に、MBSはGOサインを出してくれたのです。
反響は非常に大きくて、コロナ後遺症を患う多くの人から「自分も取材してほしい」という問い合わせをいただくほど。これまで4回放送したのですが、東京で後遺症のリモート診療を行っているクリニックを紹介したり、治療薬ができたことを発信したりするなど、有益な情報を放送することができました。
何より嬉しかったのは、視聴者からも「心が救われた」「放送のおかげで、職場の理解を得られた」などの声をいただいたことです。

Q3これからの目標を教えてください。
今も私は、自分の信念を貫いた仕事ができています。
いい報道には、年齢も、入社年数も関係ないものです。先輩や上司との関係性もフラット。MBSでは、役職に就いている人のことも「さん」付けで呼んでいます。他の会社だったら「20代が自己主張をするのはまだ早い」と突っぱねられるかもしれませんが、MBSでは一切ありません。
国会でも、他局の記者は私と歳が一回りも二回りも違うベテランばかり。そのなかで、20代の私が万博担当大臣の定例記者会見で問題を提言している姿こそが、MBSは若いときからいかに多くのチャンスを得られる会社であるかを体現しています。

あるとき、10歳以上離れている他局の先輩記者とお互いの局について話す機会があり「MBSがうらやましい」と言われたことがありました。
思い返せば、東京に異動して国会担当記者になることも、私自身が局長に直訴したことです。大阪市政記者クラブで行政を担当していたとき、密に取材をしていた日本維新の会の政治家が、数多く、活動の拠点を国会に移していきました。国をダイナミックに動かす永田町を見てみたい。大阪時代から関係が続く政治家からも「よく来たね」と歓迎してくれました。今では「尾藤さんだから…」と、キー局を出し抜く情報を教えてくれるときも多々あります。
よりよい社会をつくるニュースを、自分が日本で一番早く発信する。たとえ20代であっても、MBSなら可能です。
休日の過ごし方
休日は家で過ごすことが多くなりました。仕事では常に情報を追いかけ、現場を飛び回っているので、オフの日はなるべくリラックスするようにしています。
最近の楽しみは、去年から飼い始めた白い猫「もこちゃん」との時間。仕事から帰ると、もこちゃんが玄関で待っていてくれるので、そのまま撫でながら一緒に過ごします。のんびりとした時間を過ごせるのが癒しですね。
また、年に一度は海外旅行にも行くようにしています。おととしは韓国、去年はオーストラリアへ。異文化に触れることで、新しい視点を得られるのが面白いと感じています。現地の人と交流したり、観光地を巡ったりすることで、日本とは違う文化の魅力を肌で感じられるのが好きですね。次はどこへ行こうか、休日にそんなことを考えながら過ごしています。
Q4MBSにピッタリな人は?
私自身がそうなのですが、立ち止まっていられないタイプです。「これを放送したい!」と思ったら、とことん取材して、デスクに直訴する。
国会やコロナウイルス以外にも、これまで、高校野球やカバディ、ネット通販の詐欺など、いろいろな分野の特集を組み、放送してきました。大阪・関西万博では、開催時にどのような問題が発生するかを検討する材料を集めるために、ドバイの万博を現地で取材したこともあります。
何か興味が芽生えたら、もう立ち止まっていられない。そんな方に、MBSの記者は絶好の仕事です。

マグロ型の人!
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