
桜咲くまで日記 :#2
大垣一穂
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徒然なるままに、日暮らし、台本にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
二週目突入です。
お昼の連続ドラマは、1週間分が放送時間にして約2時間30分。2時間ドラマより多い分量を正味約1週間で撮り終えます。
その撮影の密度、速度は2倍以上!現場で考えたり悩んでいる時間はありません。
現場に入る前の入念な準備と収録の繰り返しが延々と続く日々なのです。
ホント、監督は寝ても台本、覚めても台本。出演者も覚える台詞の量は莫大でまさに超人的!?
と言う訳で
10月7日 火曜日
リハーサル。
スタジオ撮影3日分のシーンの稽古を行います。
広めの会議室に出演者やメインスタッフが集合して、床に貼られたビニールテープを目印に、代用の机や椅子で芝居場を見立てての立ち稽古。まだ見ぬ若林家マンションのセットの間取りを想像しながら、初共演の市毛さんとエリカちゃんを如何に親子らしく、かつ表面と内面が裏腹な演技に見せるか、大変ですが重要です。1日に3日分、台本で約100ページの分量をこなさないといけないので、終わるころには本当にヘトヘトでした。でも充実感。
10月9日 木曜日
スタジオ初日。砧スタジオのTMC-1。9時開始。
1時間前の8時に入って今回のメインセットの確認。全話通して話の中心となる舞台の若林家・3LDKのマンション。芝居の動線として成立しているか、部屋の壁や家具の雰囲気がイメージ通りか、撮影はやり易いかなど色んな視点からチェックします。大きな変更点は菜穂子の部屋のベッドの高さを低めに調節してもらいました。
そして開始時間の9時。俳優部も呼び込みスタジオ内も緊張が高まります。あれっ?何かが足りない?初日だと言うのにプロデューサー陣が不在です。連日の本の打ち合わせでお疲れなのか、遅いご登場でした。
そんなことにはお構いなく収録は始まります。まずは第1話の冒頭の母娘の朝食シーンから。台本上5ページに渡る長いシーンをカメリハも繰り返し念入りに行います。本番後に聞いたのですが、市毛さんも本番は緊張がピーク状態だったそうです。ベテラン大女優もやはり人の子なんですね。
10月10日 金曜日
スタジオ。
ドラマ上のニュース映像撮影に毎日放送の元人気アナウンサー○田○子さんが登場。今はこのホームページ作りなど広報を担当されているのですが、さすが、つい最近までは現役アナウンサー。演技指導の必要もなく、まさに本物です。テレビ画面から消えて残念な思いをされていた関西のファンの方々はお見逃しなく。
二週目の見どころの一つが、父と娘の再会?触れ合いです。菜穂子が小6の時から6年間も離ればなれだった父、仁と、心を徐々に通い合わせ、深い溝を段々と埋めていきます。だけど一度打ち解けてしまえば血のつながった親子。離れていた分その思いは強く、一緒にいたいという気持ちを押さえることはできません。そして部屋に閉じこもることをやめて家を出たきり帰ってこない息子、孝文はどこに出かけて何をしているのか?その真実も明かされます。何も知らない母、道子は独りマンションのリビングで家族の帰りを寂しく待ち続けます。しかし、週の後半には、事態が急展開を迎えることに。大阪のおばあちゃん、ハナ役の丹阿弥谷津子さんも登場して何やら嵐の予感が…
ますます面白くなっていく「桜咲くまで」、ぜひご覧ください。
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