2025年04月16日(水)公開
76歳"万博おばあちゃん"流の楽しむコツは「人と積極的に交流する」開幕初日から7つのパビリオン回る!「元気の源なので毎日必ず行く」【密着取材】
大阪・関西万博
4月13日に開幕した大阪・関西万博。2005年の『愛・地球博』や2010年の上海万博などの会期中、会場に毎日足を運んだ女性がいます。人呼んで“万博おばあちゃん”。今回はそんな“万博おばあちゃん”の開幕初日の様子に密着しました。
万博にハマったきっかけは2005年『愛・地球博』
4月13日、万博の初日。一人の女性がミャクミャクを手に会場へやってきました。
(山田外美代さん)「人数がちがう。尋常じゃないくらい入っていますよね」
山田外美代さん(76)。これまでさまざまな万博に足を運んできた、人呼んで『万博おばあちゃん』です。
今年1月、愛知県瀬戸市に住む外美代さんの自宅を訪れると、世界各国で集めた万博グッズ、約4万点がずらりと並んでいました。イタリア・ミラノ万博(2015年)のソーラー充電器や、スペイン・サラゴサ万博(2008年)の切手集、中国・上海万博(2010年)のファッションメガネなど…。
万博にのめり込んだきっかけは、地元開催となった2005年の『愛・地球博』。当初は数日だけのつもりでしたが、その魅力に心を奪われ、開催期間の185日間、毎日通いました。それ以降、2010年の上海万博や、2021年のドバイ万博など、海外で開かれた万博にも足を運んでいます。
(山田外美代さん)「パスポートもビザもいらないし、会場に入場券だけで入れる。それぞれの国で生まれたスタッフが来ているので、その国の特色や食事を聞いてもすごく伝わってくる」
万博に“毎日”通うため生活の拠点を大阪に!?
万博の開幕前日。外美代さんの姿は大阪にありました。家のベランダからみえるのは大屋根リング。実は、今回も万博に毎日通うため生活の拠点を大阪市内に移したのです。
(山田外美代さん)「夜も(大屋根リングを)見て、起きても見て、暇があったら見て」
夫の鐘敏さんとこのために休職した息子の和弘さんも一緒にやってきました。
(山田外美代さん)「朝何時ごろ出ようか?」
(息子・和弘さん)「あした最初7時に行こうかと思ってたけど、6時半にしようかなと思って」
(夫・鐘敏さん)「短い区間やけど(電車に)乗れるかどうか心配やしな」
持ち物リストも玄関のドアに貼って準備万全。ただ外美代さんには、心配事がありました。
(山田外美代さん)「私足折れてるから座れない」
半年ほど前に転んで骨折した足がまだ痛むというのです。少し不安を抱えて、万博を迎えることになりました。
1万人の第九の合唱に「すごい!ミャクミャクが並んでるみたい」
そして、開幕の日。
(山田外美代さん)「これ毎日来るんですよ」
(息子・和弘さん)「相当人すごいです」
(山田外美代さん)「意外、こんなに人がいるの」
(息子・和弘さん)「もういますね」
開会の2時間前に到着しましたが、既に多くの人が会場に集まっていました。万博では有名人の外美代さん。会場に入ると早速、メディアに囲まれます。心配していた足は…興奮からか、全く気になっていないようです。
(息子・和弘さん)「あそこ。もっとあっち行って。あのリングの上を見て」
(山田外美代さん)「わー!すごい!ミャクミャクカラーだ!合唱団だよね。ミャクミャクが並んでるみたい」
目に飛び込んできたのは、大屋根リングでの1万人の第九の合唱です。
(山田外美代さん)「なんかいいね。合唱団に入りたい」
最初に入ったのは『関西パビリオン』鳥取県知事がお出迎え
外美代さんが最初に選んだのは中国パビリオン。しかし、式典の真っ最中。中に入ることはやむなく断念して、予定したパビリオンに行くことにしました。向かった先は…国内パビリオンの1つ、『関西パビリオン』です。
出迎えたのは鳥取県の平井伸治知事。近畿や周辺の9つの自治体がブースを出していて、外美代さんは万博の準備期間中に鳥取県の職員と知り合い、初日に来ることにしたのです。
鳥取県のブースに敷き詰められたのは、鳥取砂丘の砂です。虫眼鏡型のタブレットをかざしてみると、地元の観光名所やグルメなどが映し出されます。
(山田外美代さん)「宝物探しみたい。めっちゃおもしろいけど腰痛いです。でも行った気分になれました」
万博をより楽しむコツは『人と積極的に交流する』
数々の万博に通ってきた外美代さん。万博をより楽しむコツがあるといいます。それはスタッフに積極的に話しかけて人と交流することです。
(山田外美代さん)「とにかくスタッフと仲良くして、言われるままに動きます。これがポイントですね」
南太平洋の島国・ツバルのブースでは、現地の人からレクチャーを受け、ダンスにも挑戦です。周りの人も巻き込んで楽しみます。
息子の和弘さんは、外美代さんのその瞬間をカメラにおさめていきます。この日も50人以上と写真を撮りました。
休むことなく会場内を歩き回る外美代さん。一方、夫の鐘敏さんは着いていくのも必死です。外美代さんらがパビリオンに入っている間、束の間の休息です。
(夫・鐘敏さん)「しんどいしんどい。初日はいつもこんなふうで。(Q元気そうな外美代さんの姿を見てどう?)うれしいですよ。よく頑張っとるなと」
開幕日に回ったパビリオンは7つ「元気の源なので毎日行く」
開幕日、外美代さんは7つのパビリオンを回りました。その目に映った大阪・関西万博の印象とは。
(山田外美代さん)「(Qいままでの万博と比べてどう?)建物がすごく大きい。いままで小さなパビリオンが多かったですけど、今回は偉大」
初日の最後。向かったのは『スペイン館』です。日本と共通する『黒潮』をテーマとしたパビリオン。入ればまるで深海にいるような、神秘的なエリアが広がります。
外美代さんが改めて感じた万博の魅力とは。
(山田外美代さん)「入ってこなければわからない。体験してみれば楽しい。それでもって、そこの国にお話ししながら行く楽しみを作れる。(Q毎日行く?)万博が元気の源なので短時間でも必ず行きます」
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