2025年01月24日(金)公開
【まるで絵本のよう...】個性的な"穴だらけ"の家!実は『明るさ』『プライバシー』を両立させる緻密な計算が 妻「幸せな気分で帰ってこれる」【住人十色】
編集部セレクト
舞台は大阪府高槻市。住宅街の角地に建つ、壁が穴だらけの家を紹介する。
カーテンいらずで視線も遮断「43個の穴」
住人(アルジ)は、学生時代に画塾で知り合ったという会社員の夫と元美術教員の妻。小さな子どもが2人いる4人家族で、2024年に新居を建てた。
住宅街の角地でひときわ目立つ“ガルバリウム鋼板”で覆われた家はスタイリッシュな外観だが、不思議なことに家の周りが穴だらけ。なんと全部で43個も穴が開いているという。
建物の中に入ると中庭があり、玄関を抜けるとメインスペースのある2階へとつながる。2階には明るく開放的な19帖のリビングダイニングキッチンが。南側に設けた大きな窓、そして外の壁の穴から明るい光が差し込んでいる。
住人(アルジ)一家は大阪市内の賃貸マンションで暮らしていたが、2人目の子どもの誕生を機に一軒家を建てることを決意。子育てをするにあたり、家づくりで重視したのが明るさだった。
そのため、土地は2方向から光を採り込める角地を選ぶが、角地は採光が望めると同時に、外からの視線が気になるという問題も。
そこであえて壁をつくり、計算した位置に穴を開けることで、カーテンなしでも周囲の視線を気にせず明るく過ごすことを可能にした。しかも壁の内側を白くして光を反射させているので、室内は1日中明るい。
ワンフロアで家事・育児が完結&アイランド型キッチン
一方、妻が新居に要望したことが、ワンフロアで家事と育児が完結する間取り。夫は朝早くに出社し夜遅く帰宅するので、平日は妻1人で子どもを見る時間が多い。そのため、2階だけで生活できるようにしたかったという。
さらに、家を建てたもう1つの理由が、メインスペースに吊り下がる星型のペンダントライト。実は、この照明のために家を建てたといい・・・?
キッチンは、妻の念願だった大きなアイランド型。重宝しているのが天井から吊るしたポールで、フライパンなど頻繁に使う調理器具はさっと水を切ってポールに吊り下げたままにしている。
2階の一角にあるのは、妻と子どもの寝室。光を採り込むため、ドアや壁の代わりに薄いカーテンで空間を仕切っている。窓が大小合わせて5個もあるが、将来的に妻の部屋として使うことを考え、どのように区切っても光が入るようにしているそう。
家を建てるきっかけに!?“謎の機械”で作った照明
そんな家には、カラフルでユニークな形のおもちゃやキッチングッズがたくさんある。これらはなんと、夫が作ったもの。1階の中庭に面した場所にある夫の作業部屋、通称「ガレージ」で制作している。
部屋にある謎の機械は3Dプリンター。パソコンで設計図を描き、そのデータを読み込ませると、実際に立体物を作り出すことができる機械だ。
夫はいち早く3Dプリンターに注目し、家庭用が普及されると同時に購入。作業場で愛用するアームライトも自作したものだという。
ガレージの奥は夫の部屋。はしごを上ると寝室がある。夫は2階で寝ている妻と子どもたちを起こさないため、平日は1階で生活ができるようにしているという。朝食もガレージでとるので、トースターを完備。朝の準備も中庭にある手洗い場で済ませている。
そんな別々に生活する家族を1つにしているのが、星型のペンダントライト。妻が店で見た星型の照明を気に入ったところ、「これなら作れる」と夫が3Dプリンターで自作したものだ。そして、この照明のようなものを日常的に作れるようにするために建てたのが、今の家なのだという。
「絵本に出てくるよう。幸せな気分で帰れる」
43個の穴がある家に暮らしてみて、妻は「外から見ると絵本に出てくるような家。子どもと一緒にちょっと幸せな気分になりながら帰ってこれるのがいいなと思います」と満足している。
子どもも、ガレージで制作を手伝ううちにものづくりに興味を持ち出したそうで、夫は「娘が大きくなったら、娘が考えたものを主体的に作ってみたいですね」と夢を語る。
父子の想像力を刺激する個性的な穴だらけの家。これからどんな作品が生まれるのか、今から楽しみだ。
(MBS『住人十色』2025年1月25日放送より TVerでも放送後1週間配信中)
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