がん検診とは
「2人に1人が がんになる時代」といわれています。
しかし、もはやがんは決して不治の病ではありません。
早期に発見して治療をすることで、命を救うことができるのです。
多くのがん経験者が「検診を受けてほしい」と話します。
がんを初期の段階で見つけるためには、定期的に検診を受けることが大切です。
あなたのために、大切な人のために、がん検診を。
10代のあなたへ
今、特に受けるべき検診はありません。
(体調に異変がある方は医療機関に受診してください!)
子宮頸がん以外のがん検診(胃、大腸、肺、乳房)は
40代からの受診が推奨されています。
お父さんやお母さん、ご家族は検診年齢ではありませんか?
がんは2人に1人がなる病です。
「自分には関係ない」と思っていても家族や身近な周りの人に「がん」が見つかるかもしれません。
大切な人に検診を呼びかけることも忘れないでくださいね。
20代、30代のあなたへ
男性の場合、今、特に受けるべき検診はありません。
女性の場合2年に1回の子宮頸がん検診が推奨されています。
子宮頸がんは20代、30代の女性に見つかる人が多くいます。
早期発見できた場合、その後の妊娠、出産も可能になることが多いといわれています。
婦人科検診にためらう人もいますが、検診は強い痛みを伴うものではありません。
あなたの人生をより素晴らしいものにするために検診を忘れずに受け続けてください。
また男性もご自分のパートナーや家族と検診について一度考えてみてください。
体調に異変を感じたときは医療機関の受診を忘れずに…。
40代以上のあなたへ
検診が有効とされている「胃、大腸、肺、乳房、子宮頚部」5つのがん検診の受診が推奨されています。
胃、大腸、肺は年に1回、乳房と子宮頸部は2年に1回の受診が望ましいとされています。
自治体が行なっているがん検診は低価です。
(無料の自治体もあり)
検診でがんが発見された人の生存率(治癒率の目安となる診断から5年後の生存割合)は、そうではない人に比べて高いという調査結果も出ています。(グラフ参照)
毎年春や秋など時期を決めて定期的に検診を受診することを忘れないでください。
5つのがんと検診
胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんの5つは、それぞれに応じた検診を受けることで早期発見につながります。
これらのがんは検診の効果が科学的に証明されています。
厚生労働省の推計によると、5つのがんの検診でがんが見つかり、その後の治療で死亡が回避された人は年間約2万5000人です。
胃がん検診
・男女とも40歳以上
・年1回
・胃X線検査
(バリウムという造影剤を飲んで胃の状態を調べます)
<異常があれば>
・胃内視鏡検査
(内視鏡を口か鼻から挿入して胃の内部を調べます)
大腸がん検診
・男女とも40歳以上
・年1回
・便潜血検査
(自宅で手軽にできます)
<便潜血検査が陽性の場合>
・大腸内視鏡検査
(肛門から内視鏡を挿入して大腸を調べます)
肺がん検診
・男女とも40歳以上
・年1回
・胸部X線検査
・喀痰細胞診<※喫煙によるハイリスク者のみ>
(痰に含まれる気管・気管支の細胞を調べます)
<異常があれば>
・胸部CT検査
(コンピューター断層撮影で精密に診断)
乳がん検診
・40歳以上の女性
・2年に1回
・マンモグラフィ検査
(乳房を板で挟んでX線撮影)
・視触診
(乳房やわきの下にしこりなどがないか調べます)
<異常があれば>
・超音波検査
(超音波で乳房の断面映像を調べます)
子宮頸がん検診
・20歳以上の女性
・2年に1回
・内診
(子宮の触診)
・細胞診
(粘膜から細胞を採取して顕微鏡で調べます)
<異常があれば>
・コルポスコープ検査
(拡大鏡で子宮頸部を詳しく調べます)
監修:大阪府立成人病センター
がん予防情報センター長 津熊 秀明
もっと知ってほしいがんのこと
特定非営利活動(NPO)法人 キャンサーネットジャパン、日本イーライリリー株式会社(本社 神戸市)、MBSの3者のコラボレーションで、「がんに関する“役立つ冊子”を!」を目指して作成しました。